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ワインコラム Archive
ワインコラム 第56回 フランスの食材の話 ボルドー編
- 2010-07-30 (金)
- ワインコラム
食欲がわかない日もあるかもしれません。今回はフランス、ボルドーBordeaux地方のおいしい食材をご紹介いたしますので、このコラムで少しでも活力が湧いていただければ幸いです。
日差しの強いボルドーの夏。
今回ご紹介するのは、「うなぎ」です。日本では土用の丑の日にうなぎを食べて、元気をつけますね。ボルドーでは特定の日にうなぎを食べるという習慣はないのですが、うなぎが食べられています。
うなぎのことを、フランス語でアンギーユanguilleといいます。フランス人は日本人ほどうなぎを食さないようですが、様々な調理法で楽しんでいるようです。例えば、パリの高級総菜屋さんに行くと見つけられるのが、「スモークうなぎ」です。フィレに下ろしたうなぎを燻製にしたもので、脂が乗っていておいしいものです。樽で熟成させた、香ばしい香りを持つボリューム感のある白ワインと良く合います!
うなぎのスモークはあまり一般的ではないかもしれませんが、ボルドー地方の郷土料理として、うなぎの赤ワイン煮込みMatelote d’anguilleがあります。うなぎをぶつ切りにし(日本ではまず見られないですね。)、香味野菜と赤ワインとともに煮込んでいきます。骨つきなので少々食べづらいです。かば焼きに慣れ親しんでいる日本人には、いまいちかな、と思ってしまうかもしれません...。しかし、これはこれでおいしく、特にボルドー地方の赤ワインと合わせやすいので面白い調理法だと思います。
他に、私が働いていたビストロで、ぶつ切りにしたうなぎをニンニクやパセリとともにソテーした料理を出していました。地元の料理と地元のワインは不思議に合うもので、セミヨンsémillonのふくよかさとソーヴィニヨン・ブランSauvignon Blancの爽やかさを併せ持ったボルドーの白ワインと良く合います。
ボルドー地方には、「もうひとつのうなぎ」があります。やつめうなぎLamproieです。同じ「うなぎ」という名を持つものの、一般的なうなぎとは全く印象が異なります。生きた状態で網に入ったやつめうなぎを一度シェフが私に見せてくれたことがありましたが、口にはなんだか歯(牙?)がいっぱいあるし、びちびち動いているし、「絶対に噛まれたくない!」と、とても近寄れなかったのを覚えています。
ボルドーでは、若干の違いはあると思いますが、基本的にはやつめうなぎも普通のうなぎ同様に調理していきます。つまり、赤ワイン煮ですね。
うなぎも、やつめうなぎも、常備しているレストランは聞いたことがないので、もし運よく(?)メニューに載っていたら、試してみると面白いかもしれません。おいしくなくても、私は責任を取りませんが...(笑)
正直、日本のかば焼きが、うなぎの最高の調理法なのかな、と思う今日この頃です。
うなぎ自体、意外とワインと合わせやすい食材だと思います。この週末にでも、うなぎとワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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ワインコラム 第55回 イタリア ロンバルディア編
- 2010-07-13 (火)
- ワインコラム
聞きなれない名前かもしれませんが、州都であるミラノMilanoは広く知られていますね。
ミラノの大聖堂
イタリア北西部に位置しており、バローロBaroloなどで知られるピエモンテPiemonte州の東隣りの州です。
シャンパーニュChampagneに迫る高品質なスパークリング・ワインであるフランチャコルタFranciacortaや、バローロと同じ黒ぶどう品種から造られるヴァテッリーナ・スペリオーレValtellina Superioreなど、上質なワインが造られています。
私がこの地を旅したのは2008年の秋でした。フランスから電車でミラノに入り、ミラノで車を借りてフランチャコルタの産地に向かいました。
フランチャコルタの産地はミラノの北東にあるイゼオ湖Lago d’Iseoの南部に広がっています。
まずは中心となる町、エルブスコErbuscoに向かいました。イタリアのワイン産地を車で回るのは2回目でしたが、ロンバルディア州は初めてでしたので、道に迷ったのを覚えています...
しかしなんとか無事に(笑)辿り着きました。小さな町です。
私はベッラヴィスタ社Bellavistaを訪れました。フランチャコルタを代表する上質なワインの造り手です。ベッラヴィスタとは「美しい眺め」という意味がありますが、小高い丘にあるワイナリーからは美しい景色を見渡すことができます。
ワイナリーの入り口。
今回の訪問ではワイナリーの内部を案内して頂きました。ベッラヴィスタでは、スパークリング・ワイン造りでは珍しく、ワインの熟成に樽を使用しています。樽を用いることにより、ワインに複雑味が加わります。
フレンチ・オークの小樽。
細かい醸造や熟成のテクニックはありますが、今回の訪問で改めて感じたことは、上質ワイン造りには「良いワインを造る造り手の意思」と「良質なぶどう」が欠かせないということです。
世界のワイン産地を訪問していてよく思うのですが、どんな田舎の無名な産地でも、優れた造り手は良いワインを造るための明確な見解を持っていて、畑仕事に力を入れています。
ベッラヴィスタも良いワイン造りに対する明確な考えを持ち、ぶどう栽培に力を入れていたのでした。複数のキュヴェを造っていますが、トップ・キュヴェはもちろん、スタンダード・キュヴェも良くできていますので、フランチャコルタとはどのようなものなのか試してみたいという方にはまずお勧めしたい造り手さんだと思います。
これからの季節、スパークリング・ワインを飲まれることが多くなると思います。ロンバルディア州が世界に誇るフランチャコルタも試してみてください!
Clos Yでは、7月15日のレストラン講座のテーマをロンバルディア州とし、フランチャコルタを始め同州の上質なワインをお楽しみいただきます。メインのお肉料理と合わせて頂くヴァルテッリーナ・スペリオーレ・スフルサットは陰干ししたぶどうから造られる力強い赤ワインで、是非試していただきたい逸品です。ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第54回 アルザス地方の話 ジュリアン・メイエと人参編
- 2010-06-29 (火)
- ワインコラム
フランスの北東部、ドイツとの国境近くにあるこの地方は、ドイツ領だったこともある複雑な歴史を抱えています。
実際に訪れてみると、鮮やかな色調の家の壁や木組みの家など、フランスの他の地方にはない独特の雰囲気があります。
ワイン産地としてはかなり北のほうになり、香り高い白ワインが盛んに造られています。また、フォワ・グラを始め食材に恵まれ、美食の土地でもあります。
世界でもトップレベルのワインが造られているにもかかわらず、あまりワイン産地として注目されていないのは複雑な畑のためか、赤ワインが少ないためか...
しかし、優れた造り手によるアルザス・ワインの品質には驚かされるものがあります。
今回はトップの造り手の中でも、2008年に訪れたジュリアン・メイエJulien Meyerをご紹介いたします。
ドメーヌはノータルテンNothaltenという小さな村にあります。ジュリアン・メイエはそのワインの品質の高さの割にあまり知られていない造り手です。というのも、現当主であるパトリック氏がマスコミに出ることを嫌っていて、一切の取材に応じないからです。
もしかすると、常にしかめっ面で無口な怖そうな職人さんかな、とどきどきしながら訪問したのですが...
結論から言うと、かなり印象に残るほど、温かくて楽しい訪問をさせていただきました!
笑顔で出迎えてくださったパトリック氏は次々と自慢のワインを開けてくれました。いずれもぶどうが生まれ育った土地を素直に表現しているような、素晴らしいワインです。
また、普通は試飲中に食べ物は出ないのですが、こだわりのチーズやサラミ(いずれも生産者と友達のよう)を「食べて!」と出してくれます。話がはずみ、どのホテルに泊まっているのか、とか、どのレストランで食事をするのか、というような話題になりました。そこでいくつかお勧めのレストランを教えて頂きました。中でもとても気になったのは、パトリック氏曰く「この店のシェフは普通じゃない」というお店。なんでもそのお店のシェフは毎朝5時には起きて新鮮な野菜などの食材を確保し、本当に満足のいく食材を素直に生かした料理を作るようです。
パトリック氏のワイン造りもそうだな、と思いました。農薬など一切使わない、厳しい畑仕事をして、醸造はなるべくシンプルに、ぶどうの個性を引き出してあげる。ワイン造りのひとつの理想の形ですね。
さて、というわけでパトリック氏お勧めのレストランに行きました。話に聞いて、是非食べたい!と思っていたのが人参です。「その人参を食べると人参に対する考えが変わる。むしろあなたはそれを人参だとすら思わないだろう!」なんて言われたら、食べたくなりますよね?!
さて、メニューを見ると、ありました!人参!!実際にお皿を見てビックリです。本当に、人参です!気軽なビストロというよりこぎれいなレストランの前菜なのですが、見ると人参が1本、シンプルにお皿に乗っています。はたから見ればなかなか面白い光景でしょう。
しかし、尋常な人参でないことはすぐにわかります。その葉っぱ!先端までエネルギーに満ちているのがわかる、ぴんとして美しい、品格を感じさせる葉っぱです。
食べてみると...
人参とは思えない!自分は何を食べているのだ!!...とはならず(パトリックさん、ちょっと言い過ぎでした?)。
でも本当においしかったです。世界人参コンクールがあれば間違いなく上位に入ってくるでしょう。
メインの肉料理も、ワイン(ジュリアン・メイエ)もおいしかったです。
ワインも含め、アルザスはフランスでもかなり美食度が高い土地だと改めて感じた一日でした。
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ワインコラム 第53回 ブルゴーニュ地方の話 ジヴリー編
- 2010-06-17 (木)
- ワインコラム
「好きなワイン産地は?」と聞かれて困った経験のあるワイン愛好家は多いでしょう。私もそのひとりで、何と答えたらよいのか迷ってしまいます。ボルドーは好きですし、シャンパーニュも素晴らしい。ローヌも外せないし、イタリアも魅力的、オーストラリアも...正直、きりがないです(笑)
しかし、どうしても外せないワイン産地として、ブルゴーニュBourgogneがあります。
ブルゴーニュのワインと、ブルゴーニュ、特にボーヌBeauneの町の雰囲気が好きで、一度住んでみたい!と憧れていました。
2005年に、その夢を叶えることになりました!ワインの勉強を目的に、3ヵ月間ボーヌに滞在し、北から南までブルゴーニュの村を、一日一村、ワインの地図を手に畑を歩いて回りました。
シャブリChablisのミネラル感、シャンボールChambolleの優雅さ、ポマールPommardの力強さ...
村ごとに異なる個性があり、どれも魅力的ですが、有名な村のワインは高価で、日常的に楽しめるものではありません。
今回ご紹介するジヴリーGivryは、赤、白を産し、いずれも高品質で、しかもワインのコストパフォーマンスが高いという素晴らしい村です。
ジヴリーが位置するのは、コート・シャロネーズCôte Chalonnaiseというそれほど注目されていない地区です。ボーヌのほうから来ると、3つ星レストラン ラムロワーズLameloiseがあるシャニーChagnyを経て南へ下ります。ブズロンBouzeron、リュリーRully、メルキュレイMercureyといったアペラシオンを持つ村を右手に見ながら走っていくと、ジヴリーの村に到着します。
ワイン産地として、黒ぶどうの畑が約200ha、白ぶどうの畑が約40haと小さく、生産量も少ないため、ワインはあまり流通していません。
しかし、この村のワイン産地としてのポテンシャルは、畑を見れば一目でわかります!村の西側に広がる斜面の美しいこと!日当たり、排水の良さに恵まれ、いかにも良いぶどうがなりそうです。畑、特にプルミエ・クリュは良く手入れされていて、村全体のワイン造りに対する意識が高いことを伺わせます。
プルミエ・クリュの畑
優れたテロワールを感じさせる。
私は2つのドメーヌを訪問しました。ひとつはクロ・サロモンClos Salomonというプルミエ・クリュをモノポールで所有している、ドメーヌ・デュ・クロ・サロモンDomaine du Clos Salomon、もうひとつはフランソワ・ランプFrançois Lumppです。
どちらも同じジヴリー、ジヴリー・プルミエ・クリュというアペラシオンのワインを造っていますが、ワインのスタイルが異なります。しかし果実味の安定感とミネラル感に共通の要素が感じられました。おいしくて、品格のあるワインに必要不可欠なものがきちんとあるわけです。特に、フランソワ・ランプのワインには感動しました。その後訪れたラムロワーズで飲んだジブリー・プルミエ・クリュ・クロ・ジュ赤Givry 1er Cru Clos Jusの素晴らしさは今でも忘れることができません...
ジヴリーは日本ではあまり見かけませんが、それほど入手困難というわけでもありません。大手生産者のものでも良い品質だと思いますので、見かけたら試してみてください。きっと気に入ると思いますよ!
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ワインコラム 第52回 プロヴァンス地方の話 ベレBellet編
- 2010-05-16 (日)
- ワインコラム
夏を予感させる日差し、寒くも暑くもなく、気持ちのいい季節ですね。
今回は、そんな爽やかな季節に相応しい、美しいワイン産地のお話です。
フランス南東部、プロヴァンスProvence地方。美しい地中海と、自然の残る山を擁し、フランス人さえ憧れる土地です。
新鮮な海の幸、山の幸に恵まれ、ワイン生産も盛んに行われています。しかしその大部分は日常消費用のロゼRoséが占めており、銘醸ワイン産地としては認識されておりません。
しかしながら、もちろん例外はあり、高品質なワインも一部生産されています。今回は、そんな「興味深い」プロヴァンスのワインのひとつ、ベレBelletのお話です。
地中海沿いに広がる、「紺碧海岸」と呼ばれるコート・ダジュールCôte d’Azur。イタリアにほど近いニースNiceや、国際映画祭(2010年は5月12日に始まりました。)が行われるカンヌCannesなど、その名を聞いただけでも気分が高揚するような美しい町が連なっています。
ベレは、ニースのすぐそばにあるワイン産地です。
ニースに行かれたことがある方の中で、どれだけの方がベレの名を知っているでしょうか?ワインのプロフェッショナルでさえ、ベレについて説明できる人は少ないのではないかと思います。私が思うに、ベレは数あるフランスワインの中でも最も入手困難なワインのひとつだと思います。
特に高価なワインではありません(プロヴァンスのワインとしては少し高価ですが)。価格の点ではなく、生産量が問題です。規定では、650haがベレとしてのワインの原料となるぶどう生産地区として認められていますが、実際は50 haほどしかぶどう畑が存在しておりません。50 haというと、ひとつのワイン生産地区としては驚くほど小さいものです。そのため、ワインの量も少なく、ニースでさえ、探してもベレのワインがなかなか見つからない状況です。
しかしベレはワイン産地としての歴史は古く、19世紀の初頭に大いに栄えていたようです。A.O.C.を獲得したのも1941年と古く、ワイン産地として注目されていたことが伺えます。
実際この地を訪れてみると、実に興味深いところです。海沿いのニースにとても近いのに、ぐっと標高が上がり、風景も海というより山の雰囲気です。非常に起伏に富む土地で、大きな畑を開くのは不可能で、ぶどう畑は所々に点在していました。
ベレのぶどう畑。
ワインの造り手も少ないようで、ドメーヌを見つけるのに苦労した記憶があります。
実際のワインはというと、そこはやはりプロヴァンスのワインです。白、ロゼ、赤の3種類が造られていますが、どれも軽やかで、トマトやオリーヴ・オイルを用いたプロヴァンス風の料理を引き立ててくれるようなワインです。
ニース風サラダ。
このようなワインは、これからの季節日本でも活躍してくれそうですが、残念ながら日本ではベレは流通していないようです。フランスに行ったときにでも入手して、いずれご紹介できればと思っております。一度試す価値のあるワインと言えるでしょう。
この週末にでも、ベレは無理かもしれませんがプロヴァンスのワインを試してみてください。一般的なロゼでも、これからの季節はおいしいと思いますよ!
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ワインコラム 第51回 ロワール地方の話 ミュスカデ編
- 2010-05-04 (火)
- ワインコラム
有名なのに、実はその実態がよく知られていないものがあると思います。
動物や魚、機械や工業製品...
ワインの世界において、ミュスカデMuscadetはそのような存在かもしれません。
フランスを代表する辛口白ワインのひとつで、生牡蠣などの魚介類と良く合う良質なワインですが、価格が手ごろで重宝します。
しかし、逆にその価格のためか、高級レストランのワインリストに載ることは稀ですし、ワイン好きの話題に上ることも多くありません。
そんなミュスカデの「現場」を見るべく、2004年の春に産地を訪問してきました。
ミュスカデはフランス北西部、ロワールLoire地方、中でも一番西側の、大西洋近くの冷涼な土地で造られています。近くには大きな町、ナントNantesがあります。このあたりではしっかりとした酸味を持つぶどうが収穫され、それがそのままワインの味わいに反映されます。
ミュスカデ、と名のつくワインは現在4つ(ミュスカデMuscadet、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌMuscadet Sèvre et Maine、ミュスカデ・コート・ド・グランリウMuscadet Côtes de Grandlieu、ミュスカデ・コトー・ド・ラ・ロワールMuscadet Coteaux de la Loire)ありますが、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌがその大部分を占めています。
ワインの原料となるぶどう品種は、その名もミュスカデMuscadet。ブルゴーニュ地方が原産とされており、別名をムロン・ド・ブルゴーニュMelon de Bourgogneといいます。
私が訪れたのはミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ(以下ミュスカデ)のシャトー・デュ・コワン・ド・サン・フィアクルChâteau du Coing de Saint Fiacre(以下シャトー・デュ・コワン)です。
シャトー・デュ・コワンの畑
シャトー・デュ・コワンはこの地区を代表する上質ワインの造り手のひとりですが、伝統的なタイプのミュスカデの他に、特別タイプのミュスカデを造っています。非常に珍しいそのキュヴェ目当てでこの造り手さんを訪問したのですが、そのキュヴェとは...
新樽熟成のミュスカデ!
繰り返しになりますが、本来ミュスカデはフレッシュな白ワインで、新鮮な魚介類と相性の良い辛口白ワインです。ステンレス・タンクで、発酵の時に生じた炭酸ガスを逃さないように熟成され、なるべく早いうちにそのフレッシュさを楽しむべきワインなのですが、樽(それも新樽!)で熟成させ、複雑なニュアンスを帯びたミュスカデを造る造り手はこの造り手以外に思い当たりません。
畑や醸造設備を見学させてもらった後、このシャトーの全てのキュヴェを試飲させていただいたのですが、新樽熟成のミュスカデは私の今までのミュスカデの概念を覆すものでした!ミュスカデ固有のしっかりした酸味、ミネラル感を保ちつつ、新樽熟成による複雑なニュアンスを兼ね備えています。このクラスのワインには、ソースを添えた魚料理や甲殻類と合わせると楽しめそうです。
これからの季節、さっぱりとした白ワインが活躍しますね。新樽熟成キュヴェは別として、さわやかなミュスカデを試してみてはいかがでしょうか?
Clos Yでは、5月20日のレストラン講座のテーマを「ロワール」とし、厳選されたロワール地方のワインとそれに合う料理をお楽しみ頂けます。今回ご紹介したシャトー・デュ・コワンの新樽熟成ミュスカデも登場いたします。ご興味のある方はご連絡ください。
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ワインコラム 第50回 イタリア シチリア編
- 2010-04-23 (金)
- ワインコラム
シチリアSiciliaと聞いて、何を思い浮かべますか?
熱い南の島、ゴッド・ファーザー、おいしい海の幸...
いろいろあると思います。
今回はシチリアのお話です。
シチリアは地中海最大の島で、イタリア最大の州でもあります。内陸部はごつごつした岩山があり、島の北東部にはエトナEtna火山があります。
私がこの島を訪れたのは2008年の10月でした。日本では秋ですが、シチリアの太陽が熱かったことを覚えています。南の島らしく、サボテンが生えていて、花を咲かせていました。
市場ではサボテンの実(一番手前)も売られています。
州都であるパレルモPalermoに着いた私は、車を借りて島内のワイン産地を回りました。
パレルモの風景
パレルモの大きな交差点。信号がなく、非常に危険です。
まずはパレルモの南西にあるマルサラMarsalaに向かいました。シチリアで生産されているワインは多彩で、辛口の白ワイン、赤ワインだけでなく、甘口の白ワインや酒精強化ワイン(ブランデーを添加して造られるワイン。シェリー、ポート、マデイラなどが有名。)まであります。マルサラは世界的に知られている酒精強化ワインで、このマルサラの町周辺のぶどう畑で収穫されるぶどうから造られています。
マルサラの大手、フローリオ社。
海に面した町自体はそれほど大きくなく、活気に満ちた様子には見えませんでした。優れたマルサラは世界の頂点の一角を占めることができるほどの偉大なワインになり得るのに、衰退していく様子を見るのは寂しいものです。
続いて私はメンフィMenfiに向かい、プラネタPlaneta社を訪れました。
南らしい雰囲気が漂うプラネタ社のワイナリー。
同社はシチリアを代表するワイナリーのひとつで、白、赤、甘口と高品質なワインを造っています。ワイン造りに対する哲学を聞かせて頂き、醸造所を見学させて頂きました。醸造所の内部は清潔に保たれており、最新の設備も導入され、優れたワインを造り続けていることに納得しました。シャルドネなどの国際品種で有名になりましたが、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアCerasuolo di Vittoriaなど、シチリア独自のぶどう品種を使ったワインにやはり私は心ひかれます。
ヴィットーリアの町。
この日は島の南東に位置するラグーザ・イブラRagusa Iblaに泊まりました。やや内陸部の標高の高いところにあるこの町は世界遺産に登録されており、町全体が独特の雰囲気を持っています。くねくねと山道を登らないといけないのですが、この町にはイタリア版ミシュラン・ガイドでひとつ星に輝くレストランもあります。私は世界遺産の町よりも、レストラン目当てで行きました(笑)。
夜はそのロカンダ・ドン・セラフィーノLocanda Don Serafinoでコース料理を食べました。
まずは希少な上質オリーヴ・オイルとパンが出てきます。フランスのレストランとイタリアのリストランテでは、パンそのものも違いますが、パンにバターをつけるかオリーヴ・オイルをつけるかが異なりますね。フレンチのほうに慣れている私はオリーヴ・オイルが出されると「イタリアンだな」と認識させられます。
上質なバターには感動させられますが、上質なオリーヴ・オイルもいいですね!オリーヴにも品種があり、オリーヴが育った土地(テロワール)を表現しているところがワインに似ていると思います。
まぐろのタルタルが出て、次に温製の魚のミルフィーユ、肉が乗ったなすのフラン、パスタと続きます。もちもちとした食感のフェットチーネは最高でした!
メインはまぐろでした。シチリアではまぐろ漁が盛んなようですね。やはり島だけあって、このコースを見ても魚を使った料理が多いようです。まぐろはミ・キュイ(外側のみ火を通して、中は生の状態)で仕上げてあり、ソースはこの島唯一のD.O.C.G.格付けのワイン、チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを使ったものでした。食べてみると、予想に反してソースが甘い!私個人の意見ですが、ちょっといまいち、でした...
残念な?まぐろ
デザートはクリーム状のガトーとクレーム・ブリュレのようなもので、おいしくいただきました。
ワインはもちろん(?!)チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアを選びました。1本でコースを通しましたが、南のワインにしては酸味がしっかりしており、エレガントな印象で、料理と良く合っていました。
様々な文化が融合した不思議なこの不思議な島に、独特の個性があるワインが生まれるのは驚くことではないようですね。極上ワインが少なからずありますので、今後も講座で紹介していきたいと思っています。
Clos Yでは、5月9日(日曜日)のランチ講座のテーマをイタリアとし、イタリア各州のワインをご紹介いたします。上質なスパークリング・ワインD.O.C.G.フランチャコルタFranciacorta、世界遺産に指定されている珍しいD.O.C.チンクエ・テッレCinque Terre、シチリアのD.O.C.G.チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアCerasuolo di Vittoriaをお食事とともにお楽しみいただきます。ご興味のある方はご連絡ください。
コラム50回記念!
コラムに関する感想をメールしてくださった先着3名様に、特別出張講座をプレゼントいたします。ご希望の場所で、ご希望のテーマについて約60分の講義(ワインのテイスティングは含みませんが、ご希望の場合はご相談ください。)を無料(交通費について、講義を行う場所が都内の場合は講師の交通費はClos Yが負担します。都内以外の場合は講師の交通費の実費を頂きます。受講者の交通費はご自身でご負担ください。)で行います。ワインに関する知識を深めるチャンスですよ!
まずはコラムに関する感想(今後このようなコラムが読みたい、もっと見やすくしてほしい、ボリュームが多い、少ないなど、なんでも)をメールください。
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ワインコラム 第49回 シャトー訪問の話 幻のデュ・テルトル編
- 2010-04-18 (日)
- ワインコラム
この10年で、訪問させていただいたワイナリーの数は300を超えました。
車がすれ違うこともできないような細い曲がりくねった山道をどきどきしながら登ったり、ふいに開けた視野に飛び込んできた雲海に目を奪われたり、数メートル先も見えない濃い霧の中を恐る恐る進んだり...
偉大なワインを生み出す優れたワイナリーは、人里離れた場所にあることが少なくなく、「ワイナリーを訪れること」が「ちょっとした冒険」になってしまうことがあります。
初めて訪れる土地が多いですし、時間にゆとりを持って訪問の計画を立てるのですが、今までに2件ほど、訪問の予定をしておきながら訪問できなかったワイナリーがあります。
今回はそのひとつ、幻に終わったシャトー・デュ・テルトルChâteau du Tertre訪問のお話です。
シャトー・デュ・テルトルは、ボルドーにある、1855年の格付け5級のグラン・クリュです。しっかりとした構成がありながらしなやかで、若いうちからおいしく飲めるスタイルが好きで、2008年の秋に訪問することにしました。
アペラシオンとしてはマルゴーMargauxになりますが、シャトーはマルゴー村の近くのアルサックArsac村に位置しています。
ボルドー、メドック地区の有名シャトーは、ほとんどのものが主要道路近くに位置していて、初めて訪れるにしても道に迷う心配はほとんどありません。あの道を走ったことがある方なら、ワインのラベルに描かれているシャトーの建物が次々に現れる風景を楽しまれたことでしょう。
しかし、アルサック村は主要道路から外れた内陸部にあります。村に行くこと自体は難しくないのですが、村に着いてもシャトーがどこにあるか分からず迷ってしまいました。
そこで、近くにあったシャトー・ジスクールChâteau Giscoursに立ち寄り、シャトーの場所を教えてもらおうとしたのですが...
シャトー・ジスクール
私「すみません、あの...」
ジスクールの受付の人「ああ!ナカニシさんですね?お待ちしておりました。」
私「???」
どうしたことでしょう、シャトー・ジスクールの人が、私の訪問を予定しているとは??!
実は、シャトー・デュ・テルトルとシャトー・ジスクールは同一人物が所有しております。系列会社ということですね。どうやら、これら2つのシャトーの訪問を管理する人は同一人物で、私のシャトー・デュ・テルトルへの訪問の予定を、ジスクールのほうに入れてしまったようなのです!
道を聞くために偶然訪れたシャトーでこのようなことになっているとは...驚きました...!!
シャトーの人曰く、今の時間はシャトー・デュ・テルトルには予定が入っており、訪問ができないとのこと。ジスクールを訪問しないかと提案されたのですが、ジスクールは過去に訪問したことがありましたし、何よりデュ・テルトルを一目でも見たかったので、ジスクールを出て、デュ・テルトルに向かいました。
シャトー・デュ・テルトル
メドックMédocらしい、小石が多く含まれた石灰質の痩せた土壌にぶどうの木が整然と列をなしています。よく手入れされているのがわかります。
デュ・テルトルの畑
あの素晴らしいワインは、この畑から生まれるのだなと、きちんとした訪問はできなかったものの、来られて良かったと思いました。
みなさまもワイナリーを訪問するときはお気をつけください(笑)
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ワインコラム 第48回 カリフォルニアの話 ナパ・ヴァレー編 その2
- 2010-04-04 (日)
- ワインコラム
オーパス・ワンOpus Oneの後、私はスタッグス・リープ・ディストリクトStags Leap District地区に位置するスタッグス・リープ・ワイン・セラーズStag’s Leap Wine Cellarsを訪れました。
ナパ・ヴァレーは南北に細長い地区で、東西には山脈が走っています。スタッグス・リープ・ディストリクトは東側の山の斜面に位置し、ぶどう畑は急な斜面にも展開されています。
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズは、1976年、パリで行われたフランスワインとカリフォルニアワインのブラインド・ティスティングにおいて、フランスの錚々たるワインを押さえ見事1位に輝いた伝説を持っています(このワイナリーのすぐお隣に、スタッグス・リープ・ワイナリーStags’ Leap Wineryというよく似た名前のワイナリーがありますが、まったく関係のない別ワイナリーなので注意が必要です。とはいえ、スタッグス・リープ・ワイナリーのワインも上質です。)。
ここでは、畑を見せてもらい、樽熟成庫でワインを試飲させてもらいました。白はソーヴィニヨン・ブランとシャルドネ、赤はメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の4種類のキュヴェです。樽で熟成させたソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネはどちらもしっかりとした構成がありながら、過度なボリュームが無く、上品にまとまっていました。赤は伝説のカスク23Cask 23はもちろん素晴らしいものでしたが、興味深かったのがアルテミスArtemisでした。カベルネ・ソーヴィニヨンに少量のメルロをブレンドしたこのキュヴェは、アニマル系の香りが立っていて、食事と合わせたら面白そうだなと思いました。いずれ、レストラン講座でご紹介できればと思っています。
続いて、カーネロス地区CarnerosのセインツベリーSaintsburyを訪れました。
看板のないワイナリー入口。
カーネロスはナパとソノマ、2つの地方にまたがっていて、冷涼なサン・パブロ湾に近く、冷たい空気が流れ込んできます。そのため、栽培されているぶどう品種もピノ・ノワールなど冷涼地に適したものが多くなっています。
リラ仕立ての畑
ここではシャルドネとピノ・ノワールの複数のキュヴェを試飲させてもらいました。キュヴェによりワインの性格が異なり、いかにも新世界的なものもあればブルゴーニュ風のものもあり、面白い比較ができました。同じ地区のぶどうから同じ造り手が造るのに、こうもワインの性質が異なる。要因はいろいろあるのでしょうが、不思議と言えば不思議ですね。これがワインの面白さなのでしょう。
さて、夜はレストランで食事しました。セント・ヘレナの町を北側に抜けてすぐのところにある、ザ・ワイン・スペクテイター・グレイストーン・レストランThe Wine Spectator Greystone Restaurantです。
このレストランは料理学校が運営しており、料理学校の敷地の中にレストランがある、という格好になっています。
店内は広く、テーブル・クロスのない木のテーブルが並んでいます。
前菜は、小さなスープ、魚のフライなどの盛り合わせを選びました。
トーストしたパンに乗せたブランダードがおいしかったです。
メインは牛肉のステーキです。
牛肉の質、ソースが抜群に良く、非常においしかったです。ワインはソノマ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンを合わせたのですが、とてもよく合いました!
デザートも前菜同様、小さなポーションの盛り合わせです。
やはり世界的に有名なワイン産地だけあって、美食家も集まるのでしょう、予想以上に上質な料理を楽しむことができました。それと、サービスが素晴らしかったです。カジュアルな雰囲気ですがきめの細かいサービスをしてくださり、それは感動に値するものでした。
旅はいいものですね。勉強になります!
Clos Yでは、4月15日のレストラン講座のテーマを「カリフォルニア」とし、上質なワインとそれに合わせた料理を召し上がっていただきます。ご興味のある方は是非いらしてください。
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ワインコラム 第47回 カリフォルニアの話 ナパ・ヴァレー編 その1
- 2010-03-27 (土)
- ワインコラム
カリフォルニア州はアメリカ最大のワイン産地です。ノース・コーストNorth Coast、セントラル・コーストCentral Coast、サウス・コーストSouth Coast、シエラ・フットヒルズSierra Foothills、セントラル・ヴァレーCentral Valleyの5つの地域に大きく分けることができます。
今回は、ノース・コーストを回ってきました。ノース・コーストは、その名の通り、カリフォルニア州北部の海岸近くに位置する産地です。サン・フランシスコから北へ100kmほどのところに位置するナパNapaが有名ですね。
サン・フランシスコには以前行ったことがあったのですが、ワイン産地を訪れるのは初めてなので、期待が高まります。
しかし、日本とアメリカの時差はすごいですね!日本を16時頃出発し、約9時間のフライトを経て、現地に着くとなんと朝の9時くらい。16時間もの時差があります。
少しぼーっとした状態で、レンタカー・ステーションへと向かいました。その移動中に見た空の青さ、広さにびっくりしました。目が覚めました!(笑)
空港からナパ・ヴァレーのナパの町を目指し走ります。近いですし、道も複雑ではないので迷わず着けました。途中ゴールデン・ゲイト・ブリッジを渡りましたが、すごいですね!橋自体大きくて立派ですし、海と空と崖のコントラストはゆっくり見たいと思うほど美しかったです。
まずはナパの町を抜けて、少し北にあるセント・ヘレナSt Helenaの町で昼食です。アメリカではアメリカらしいものを食べたい、ということで、ハンバーガーにしました。
オーストラリアで食べて以来、約2年ぶりのハンバーガーです。トマトベースのスープが濃厚でおいしかったです。
さて、いよいよワイナリーの訪問です。
まずは、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーRobert Mondavi Wineryを訪れました。
ロバート・モンダヴィさんは、アメリカのワインがまだ今日ほど世界に知られていなかった時代に、高品質なワインによってその実力を世界に知らしめたパイオニアの一人です。私が最も会ってみたかったワイン業界の人物でしたが、残念ながら2008年にお亡くなりになられています。94歳でした。活動力のある方で、晩年でも毎日1本のワインを飲んだと言われています。活力の源はやはりワインだったのでしょうか?!
ここでは一般的なツアーに参加しました。畑、醸造設備、樽熟成庫を見せてもらって、最後に3種類のワインをテイスティングしました。醸造設備などは今日では世界共通ですね。しかし畑はここならではのもので、非常に美しかったです。
この日は早く寝て、翌日は朝からオーパス・ワンOpus Oneを訪問しました。オーパス・ワンは、フランス、ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトChâteau Mouton Rotschildがロバート・モンダヴィ氏に持ちかけたジョイント・ヴェンチャーで、大変高品質なワインを造っています。ワイナリーはロバート・モンダヴィ・ワイナリーのすぐ近くにあります。
ここでもひと通りの設備を見せてもらい、最後にオーパス・ワン2006をテイスティングしました。まだ若く、非常に濃縮感があるにもかかわらず、硬さもなく、非常においしい状態でした。完熟したぶどうを用いて、丁寧な醸造、熟成をしたのでしょう。さすがの貫禄でした。
オーパス・ワンの美しい樽熟成庫
ナパの町があるナパ・ヴァレーNapa Valleyには、たくさんのワイナリーが軒を連ねています。次回は引き続きナパ・ヴァレーのお話です。
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