- 2010-01-24 (日) 21:15
- ワインコラム
帰ってきたばかり(何やら眠いのは時差のせいでしょうか。一年中眠い気もしますが...)、熱々の情報をお届けいたします!
ドイツはミュンヘンMünchenに到着しました。この町はワイン、ではなくビールで有名ですね。私の兄がこの町に住んでいるので会って来ました。
ミュンヘンから、ドイツが誇る極上ワイン産地のラインガウRheingauまで電車で約5時間。早朝に出発した私はお昼頃ラインガウのハッテンハイムHattenheimに到着しました。
ここから西へ、雪が降る中、地図を片手に畑を歩いて見ていきます。
辺りは雪、雪、雪...
千葉県出身の私は雪道を歩くのに慣れていません。できればこの季節に来たくなかったです...
さて、ドイツワインの畑の名前は、通常その畑が位置する村の名前の後にラベル上で表示されます。
例えば、キードリッヒ村にあるグレーフェンベルク畑は、キードリッヒャー・グレーフェンベルクKierdicher Gräfenberg、となります。
数多あるドイツの畑ですが、特に評価の高いわずか5つの畑は、村の名前を伴わずに畑の名前をラベルに表示することができます。その5つの畑をまとめてオルツタイルラーゲOrtsteillageと言います。
ドイツ全体で5つしかないオルツタイルラーゲの、なんと4つがこのラインガウ地区にあります(もうひとつはモーゼルMosel地区にあります。)
この事実だけでも、ラインガウがいかに優れたワイン産地かがわかりますね!
以下、4つのオルツタイルラーゲです。
シュタインベルクSteinberg (石の山、という意味)
シュロス・ライヒャルツハウゼンSchloss Reichartshausen (ライヒャルツハウゼン城、という意味)
シュロス・フォルラーツSchloss Vollads (フォルラーツ城、という意味)
シュロス・ヨハニスベルクSchloss Johannisberg (ヨハニスベルク城、という意味)
全て表土は雪で覆われていますが、これらの畑が高く評価されてきたのは一目瞭然でわかります。どれも(シュロス・ライヒャルツハウゼンは除く)急な斜面を持っていて、日当たりに恵まれています。
参考までに、残る一つのオルツタイルラーゲは、モーゼル地区のシャルツホーフベルクScharzhofberg (シャルツホーフの山、という意味)です。
さて、ハッテンハイムから10km、リューデスハイムRüdesheim村にやってきました。今夜はこの村のホテルに宿泊します。
ラインガウには銘醸畑が多くありますが、その極上のぶどうを素晴らしいワインに変える偉大な造り手さんも各村に居を構えています。このリューデスハイム村で、私はゲオルグ・ブロイヤーGeorg Breuerを訪問しました。
評価の高い、素晴らしい造り手さんです。
ここでは13種類のワインをテイスティングさせていただきました。特に印象に残ったものを挙げてみると...
ジューJeux 2008
シュペートブルグンダーSpätburgunder (Pinot Nor)の白ワイン!酸味がしっかりしていて、ミネラル感が強めに感じられる。品種としての個性があまり感じられず、ピノ・ブランPinot Blancのようにも感じられる。
グラウアー・ブルグンダーGrauer Burgunder 2007
ピノ・グリPinot Grisをドイツではこう言います。一部樽熟成を施したこのワインは厚みがあり、果実味がしっかりしている。
ベルク・ローゼンエッグ・アウスレーゼ・ゴールドカプセルBerg Roseneck Auslese GoldKapsel 2007
濃密な甘口。凝縮された甘味と同時にやはり凝縮された素晴らしい酸味が感じられる。
改めて、ドイツワイン唯一無二の個性に感動しました。地球が温暖化に向かう現在、冷涼な気候のもとで育ったぶどうによる、澄んだきりりとした酸味はかけがえのないものです。
テイスティングの後、セラーを見せてもらいました。ゲオルグ・ブロイヤーは一部のワインをフレンチ・オークのバリック(225リットル容量の小樽)で熟成させています。
丁寧に説明してくださった、ゲオルグ・ブロイヤーに感謝です。
暑い夏に良く冷やしたドイツワインは最高ですが、凛としたドイツの辛口白ワインは和食に良く合うと思います。少し甘味のあるタイプのドイツワインは、肉じゃがなど砂糖を使った家庭料理に合うと思います。良かったら試してみてくださいね!
このコラムを読まれて、ご意見・ご感想がございましたら下記メールアドレスまでご連絡ください。
- Newer: ワインコラム 第42回 ドイツの話 美食編
- Older: ワインコラム 第40回 ボルドー地方の話 ポイヤック編 その1