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ワインコラム 第32回 ボルドー シャトー訪問の話 レオヴィル&ランゴア・バルトン編

今回は、ボルドーのシャトーを訪問したお話です。

 

訪れたのはシャトー・レオヴィル・バルトンChâteau Léoville Barton1855年のボルドー地方のワイン格付けで第2級に列せられた、格式あるシャトーです。

 

位置しているのはアペラシオンサン・ジュリアンSaint-Julienの真ん中あたり、ジロンド川寄りのところです。

 

サン・ジュリアンはボルドー地方を代表するワイン生産地区であるメドックMédocの真ん中あたりに位置していて、この地区のワインはいずれのシャトーも押し並べて水準が高く、品質が安定していることで知られています。

 

シャトー・レオヴィル・バルトンは、バルトン家が所有しているのですが、バルトン家はもうひとつ、シャトー・ランゴア・バルトンChâteau Langoa Bartonも所有しています。なんとシャトー・ランゴア・バルトンも1855年の格付けで3級に選ばれています。特級シャトーを2つも所有しているバルトン家、すごいですね!

 

シャトー・レオヴィル・バルトンとシャトー・ランゴア・バルトンは同じ醸造所で発酵、熟成が行われています。つまり両者の主な違いは、原料となるぶどう、ということになりますね。

 

シャトーには白い石が敷き詰められた美しい中庭があり、そこを散歩しながらシャトーの歴史などを伺いました。醸造所にはアルコール発酵のための発酵槽が整然と並んでいます。この醸造所では木製のものとぴかぴかのステンレスの2種類を併用していました。

 

醸造所を案内していただいたあとに、2種類のワインをテイスティングさせていただきました。ひとつはシャトー・レオヴィル・バルトンの2003年。もうひとつはシャトー・ランゴア・バルトンの2003年です。私が訪問したのは20048月だったので、まだ樽熟成中の未完成ワインです。収穫からまだ1年も経っていません。通常では、このシャトーのワインが商品として出荷されるのは収穫から2年ほど経ってからです。

 

ワインのスタイルにもよりますが、このように熟成途中の赤ワインを口に含むと、まだ荒々しいタンニンが口中を支配して、ぎすぎすした感じを受けることが多いのですが、今回テイスティングした2種類はこの時点で素晴らしくおいしいものでした。両者ともに黒っぽい濃い色調。香りは樽から来るロースト香が支配的だったものの、ジャムのように火を通した黒い果実の香りもしっかりと感じ取ることができました。これは酷暑だった2003年ならではの個性だと思います。タンニンは強いものの、特にランゴア・バルトンのほうは柔らかく、ざらつくような感触はありませんでした。

 

最近これら2つのシャトーの2003年ヴィンテージをテイスティングしたことはありませんが、どのように熟成しているか楽しみです。おそらく、ワインには強い濃縮感がありますので、まだまだ若い状態でしょう。

 

ワインは、同じものでも開ける時期によって変化しますので、それも大きな楽しみですね!

シャトー・レオヴィル・バルトンのように比較的長命なワインは熟成による変化を長年にわたって楽しむことができますので、若い状態のワインを数本購入して、数年にわたって楽しむのも一興ですね。

 

じっくり取っておくのはなかなか難しいですが(笑)

 

 

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