- 2009-08-31 (月) 20:04
- ワインコラム
南オーストラリア州の旅は続きます。
リヴァーランドからアデレードに戻った私は再びバロッサ・ヴァレーBarossa Valleyに向かいました。グラント・バージGrant Burge、ジェイコブス・クリークJacob’s Creekなどの大手を訪問し、安定した品質のワインに感心させられました。
グラント・バージの畑
ジェイコブス・クリークの近代的なセラー・ドア。レストランも併設されていて、たくさんの人が集まっていました。
ジェイコブス・クリークの畑
少量の上質ワインを造ることよりも、良質なワインをたくさん造るほうが難しいのでは、と思います。
この日はバロッサ・ヴァレーの中心地であるタヌンダTanundaという町で夜を過ごしたのですが、ホテルがどこも満室で、町のはずれにあるキャラバン・パークに泊まりました。キャラバン・パークとは、広大な敷地にキャンピング・カーが置かれていて、利用者はそこに宿泊します。キャンピング・カーの内部にはベッド(私が利用した車には4人分のベッドがありました。)、キッチン、テレビ、冷蔵庫など必要なものはほとんど備わっています。トイレとシャワーは無く、パーク内の設備を使うことになります。4人で泊まれば安いですが、一人では一般的なホテルよりも高くつきました。一人旅は切ないものです...
ただ、夜の星の奇麗だったこと!オーストラリアでは美しい自然に何度も感動したものでした。
翌日は、エデン・ヴァレーEden ValleyのヘンチキHenschkeを訪れました。英語を見て、どのように発音すればよいのかわからなかったのでワイナリーの人にどのように発音すればよいのか尋ねたところ、日本の発音そのままに「ヘンチキ」で良いとのことでした。面白い名前ですね!
名前は面白いですが、ヘンチキは実に高品質なワインの造り手です。トップ・キュヴェのヒル・オブ・グレースHill of Graceは恐らくオーストラリアで最も高価なワインです。試飲できなかったので、ワイナリーからやや離れた所にある畑を、舗装されていない道を走り見てきたのですが、見た感じはそれほど偉大なテロワールには見えませんでした。でも何か特別な要素があるのでしょうね。
ヒル・オブ・グレース。貴重なぶどうを鳥に食べられないよう、ネットで保護されています。
続いて向かったのは、動物園です!ワインの話とそれるので、このお話は次回に番外編としてお届けいたします。
さて、次に向かったワイン産地はアデレードからやや南に下ったマクラレン・ヴェールMacLaren Valeです。ここも重要なワイン産地です。ダーレンベルグd’Arenberg、ピラミマPiramimmaと2つのワイナリーを訪れました。ダーレンベルグは老舗ワイナリーで、ワインは安定した品質を誇っています。品質の割に値段が安いので、感心させられます。ピラミマも優良生産者です。この造り手の甘口ワインは、私の心を打ちました!オーストラリアの甘口ワインは全体的にレベルが高いと思います。
この地区にはヌーンNoonというカルト・ワイナリーがあります。高品質なワインを造るものの生産量が少なく、常に高い値段が付けられています。ワイナリーの入口には訪問者を受け付けない「Soled Out」の文字が!
ヌーン入口。
残念ながらワイナリーの訪問はできませんでしたが、畑を見ることはできました。収穫間近の黒ぶどうが健やかに育っています。小粒で、いかにも濃いワインができそうです。後にシドニーでこのワイナリーのワインを飲んだのですが、私のワイン人生の中でも最も濃く、凝縮されたワインのひとつでした!
次に向かったのは、もしかするとオーストラリアで最も有名なワイン産地、クナワラCoonawarraです。クナワラはお隣のヴィクトリア州に近く、マクラレン・ヴェールから離れています。途中川を渡ったのですが、川には橋が無く、定期的に船が行き来していて、車を運んでくれます。
向こうから、移動式橋(?)がやってきます。
面白い体験でした!
クナワラは、赤い土テラ・ロッサで有名な産地です。写真で見ると確かに赤い!のですが、オーストラリアには赤い土は珍しくないと思います。クナワラに限らず見られます。
クナワラの畑。土が赤いでしょうか...?
ですが事実として、クナワラのワインは高品質です。カベルネ・ソーヴィニヨンが特に評価されていますが、実際に素晴らしいワインが多く造られています。
続いて、旅はお隣のヴィクトリア州へ続いていきますが...
次回はオーストラリア番外編、動物のお話です!
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