- 2009-07-19 (日) 8:47
- ワインコラム
私は2005年9月から12月にかけて、ブルゴーニュ地方のワイン産業の中心地、ボーヌBeauneに滞在していました。目的はもちろん「ワインの勉強」です!
この町には何度か来たことがあり、まさに「ワインまみれ」の様子にすっかり惚れこんでいて、いつか住んでみたいものだなあと憧れていました。
家探しは苦労しましたが、泊っていたホテルの親切なマダムの紹介で、一人暮らしのおばあちゃんの家を紹介してもらいました。食事付きです!貴重な家庭料理を食べさせてもらいましたが、この話は次回以降にさせていただきます。
ブルゴーニュ地方は、フランスでボルドーと並ぶ銘醸地です。その名声はフランスのみならず世界中に広がっています。この産地の特徴は、白ワインはシャルドネChardonnay、赤ワインはピノ・ノワールPinot Noirという単一品種で造られるのですが、同じぶどうを原料としているのにもかかわらず、隣り合う村で微妙に味わいが異なります。さらに言うと、隣り合う畑でもワインの風味が異なるのです。これこそブルゴーニュの醍醐味でしょう!
私がしたかったのは、地図を見ながらブルゴーニュの村々を歩いて回ることでした。ブルゴーニュ地方では畑が細分化されていて、それぞれに名前があり、格付けがなされています。有名な畑を実際に見て、立地条件などを確認したかったのです。時間は90日あるので、1つの村を1日かけて見ることができます!
具体的な訪問のお話は次回以降に譲るとして、今回はブルゴーニュの魅力についてご紹介したいと思います。
ブルゴーニュと言えば、まずはワインが思い浮かびますね。前述のとおり白ワインはシャルドネ、赤ワインはピノ・ノワールから主に造られます(それ以外の品種もあります。)。
シャルドネ
ピノ・ノワール
この2つの品種、ブルゴーニュが原産のようですが、今日では世界中で栽培されています。外国にも上質なものが多くありますが、本場ブルゴーニュのワインには、他の産地がどんなに頑張っても出せない独自の魅力があります。これが「テロワールterroir」なのですね。
土地に根差したワインと切っても切れないのが郷土料理です。ブルゴーニュはおいしい料理の宝庫です。ちょっと挙げるだけでも、ハムのパセリゼリー寄せjambon persillé、雄鶏のワイン煮coq au vin、ブルゴーニュ風ポーチド・エッグoeuf en mouretteなどなど...どれもおいしい料理です!また、ワインとの相性がいいんですよね!
おいしい料理はおいしい素材から。ブルゴーニュの料理がおいしいのは、ブルゴーニュにおいしい食材がたくさんあるから、と言えるでしょう。料理にたっぷり使われるワインは言うまでもありません。他にもマスタード、カシス、チーズ、シャロレ牛...
ほんとうに土地に根付いた「郷土料理」ですね。書いていてつらいです。食べたくなってきました。話題を変えて、ボーヌの町をご紹介しましょう。
ブルゴーニュ地方の中心都市はボーヌの北にあるディジョンDijonですが、ワイン産業でいうとボーヌが中心になります。古い城壁で囲まれた町は、端から端まで歩けるほどの広さです。ワイン好きにとってたまらないのは、その中にワインショップ、レストラン、ワイン関連グッズ店、ワインの造り手などが密集しているところです。
観光客は少なくないですが、いわゆる観光名所というところに比べればその比ではなく、のんびりと過ごせます。
今こうして書いていて、ふと思い当ったボーヌの魅力は、たくさんあるお店の個々のレベルが高いところにあるようです。ワインショップには日本では手に入りづらい希少品がありますし、ワイン関連用品も便利なもの、面白いものが安く手に入ります。レストランも高級店からビストロまで総じてレベルが高いようです。
なかなかこのような町はないと思います。ほんとうに素敵な町です。
さて、この町には面白い特徴があります。さて、何でしょう?4択で考えてみてください。
1、小学生が朝、学校に着いたら、とりあえずワインで乾杯する。
2、町の中央にメリー・ゴー・ラウンドがあるのですが、その回転がやたら速い。
3、ワインと美食のおかげか、この町の住民の平均寿命は130歳である。
4、地下にワインの熟成スペースがあるため、町の地下は空洞だらけになっている。
さあ、今回も難しいですね!
正解は...4番です!
ブルゴーニュの魅力、みなさまにも伝わりましたでしょうか?
次回は、実際にブルゴーニュの村を訪問した時のお話です。
このコラムを読まれて、何かご意見、ご感想がございましたらご連絡ください。