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ワインコラム 第18回 フランスのミシュラン星付きレストラン その1

前回のコラムでは、フランスの食文化やレストランの業態についてご紹介いたしました。

 

今回は、ミシュラン・ガイドお勧めのレストランに実際に行った時のお話です。

 

2年ほど前から、日本でもミシュラン・ガイドによるレストランの格付けが行われていますね。どうやら日本の審査では、味のみを見ているようですが、フランスではレストランをトータルで見ます。つまり、料理だけでなく、内装、サービスなども含めての「星☆」というわけです。

 

実際星付き(一つ星から三つ星)のレストランは例え一つ星でもきれいなお店で、食器も美しいものを揃えています。ただ、フランスのミシュラン・ガイドには星のないお店も紹介されています。そのようなお店はカジュアルな雰囲気のところが多く、おいしく食べて、飲んで、高くつかないコストパフォーマンスに優れたお店です。東京のミシュラン・ガイドには星付きのお店しか載っておらず、残念に思います。

 

さて、それでは実際に私が訪れたお店のお話です。

 

初めて星付きのレストランに行ったのは、2005年のことでした。南西部にある一つ星レストランGindreauです。数百年前から時間が止まっているような、緑の美しい、人の姿がほとんど(全く?)見かけられないような小村にあります。流れている時間が違うように感じられました。お店は意外に明るくてモダンな内装です。

 

オーダーしたコースはアミューズ・ブーシュ、前菜、主菜、デザートで構成されていました。まずアミューズ・ブーシュです。ハムを挟んだ小さなトースト、塩味のかぼちゃのタルトなど、小さなフィンガー・フードで食事が始まります。

 

続いて前菜は豚足のキャベツ包み。

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豚足はカジュアルな食材で、よくビストロ料理などに使われますが、星付きレストランでは上品な料理になって出てきました。素材独特の香りがありながら品よくまとまっていて、繊細な料理でした。

 

メインは仔羊です。地元(Quercyケルシー)で育った仔羊をロゼ(焼き方。牛肉ではレアsaignant、ミディアムà point、ウェルダンbien cuitなどありますが、仔羊に関してはロゼroséに焼くのが一般的です。)に焼きあげ、付け合わせにはやはり地元のチーズ、ロカマドゥールrocamadourとじゃがいもを和えたものが添えられています。

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臭みなど全く感じられない、上品な料理でした。

 

デザートは装飾的で、薄くスライスしてぱりぱりにした洋梨が添えられた洋梨のシャーベットと栗入りのクリームです。あと、食後にコーヒーと一緒にプティ・フール(ショコラやマカロン等の焼き菓子など)が運ばれてきます。

 

地方のレストランの楽しみは、地元の食材を使った料理と地元のワインのマリアージュですよね!選んだワインは白はシャルドネchardonnay主体のVin de Pays du Lot Blanc、赤はCahors 1990でした。白は心地よく樽が効いているタイプでとても上質でした。赤は熟成が進み穏やかな状態で、ケルシーの仔羊と寄り添うようでした。これが地元のマリアージュなのでしょうか?!

 

初めての星付きレストランは、1つ星でしたが大満足でした。やはり料理だけではなく、内装を含めて「そこで過ごす時間を楽しんだ」ようです。

 

次回は三つ星レストランのお話です。

 

 

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