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ワイン・コラム 第188回 ハンガリーの話 カラカ・ワイナリー編

2016年10月にハンガリーのワイン産地を訪問してきました。

この国に行くこと自体が初めてでしたので、不安もありましたがかねてより世界三大貴腐ワインのひとつを生み出すトカイTokajに行ってみたい思いを強く持っていました。この度、ついに実現させることとなりました!

ブダペストを首都とするこの国は、四国のような横長の形をしていて、ハンガリー平原が広がり、ドナウ川が国の中心あたりを南北に流れています。気候は大陸性で、国の西部には大きなバラトン湖があり、その周囲にはワイン産地が複数点在しています。公用語はハンガリー語。E.U.に加盟していますが通貨はユーロではなくフォリントforint。日本の感覚からすると物価は安い状態です。

私は成田からブダペストのリスト・フェレンツ空港に入りました。直行便がありませんので、途中乗り換えをしたのですがその時にオーヴァー・ブッキングと言われ、予定と違う便になったのですが結果早く着くことができて良かったです。

空港からホテルまで車での移動でしたが、暗い郊外からブダペストの中心地に入ると町並みは他のヨーロッパの都市とあまり違いの無い、現代的な様子です。
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夕食はホテルの近くで見つけたビストロで、ハンガリーの生ハム類とワインを頂きました。
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翌日、いよいよトカイに向けて移動です。ハンガリーでワインを造る日本人、片木さんに紹介して頂いた、ハンガリーでワイナリーを営むハンガリー人のダニエルさんの車でトカイまで約3時間。ブダペストの西部のバラトン湖周辺のワイン産地とは反対の、この国で一番北東に位置しています。

トカイは、小さな山の東側にあるとても小さな町です(ホテルやレストランなどが並ぶメイン・ストリートは500mほど。)。この町の東側にティサTiszaとボドログBodrogという2つの川が流れていて、ちょうど合流します。トカイの町の周辺には、この地域のぶどう畑の5%ほどしか畑が無いのですが、この町に川を利用してワインが集まったため、その名は世界的に有名になりました。

トカイのワイナリーは4軒訪問させて頂きました。今回はそのうちのひとつ、カラカKalákaをご紹介いたします。

カラカは小さな村に位置する小さなワイナリーです。当主はブダペストでワイン屋さんを営んでいた知的な方で、トカイの格付け地図(ブルゴーニュのように畑を1級や特級などに格付けしたもの。)まで作ってしまいました。
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スパークリング・ワインを始め、複数のワインをテイスティングさせて頂きました。トカイでは白ワインの生産のみが認められていますので、試飲ワインは全て白。
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トカイと言えば貴腐ワイン、というイメージが強いと思うのですが、この造り手は「テロワールの神髄は辛口ワインに現れる」という哲学に則り、上級キュヴェは辛口白ワインに仕上げてあります。酸のしっかりとした非常にシリアスな味わい。このワインひとつ取っても世界のワインの多様性に改めて気づかされます。

ハンガリーのワインは全般的に、品質の割に安い値付けがされているように思われます。辛口白ワイン、甘口白ワイン、そして赤ワイン。この国独自の品種にも、見るべきものがあります。試してみてはいかがでしょうか?

Clos Yは、3月12日のレストラン講座を恵比寿のフレンチ・レストラン Emuで行います。笹嶋シェフの、春の旬の素材を用いた素晴らしい料理にワインを合わせます。前菜のフォワ・グラのプレッセには、カラカのトカイを合わせます。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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