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ワイン・コラム 第178回 ボルドー地方の話 シャトー・パプ・クレマン編

ボルドー地方でトップ・クラスの評価を受ける、シャトー・パプ・クレマンChâteau Pape Clément

その歴史を13世紀にまで遡ることができるこのシャトーは、ボルドーの町のすぐ近く、ペサック・レオニャンのペサックPessacにあり、シャトー・オー・ブリオンChâteau Haut-Brionから3kmほどと近く、恵まれたテロワールの恩恵を享受しています。

同じペサック・レオニャンの特級格付けシャトーでも、私が働かせて頂いたシャトー・ラトゥール・マルティヤックChâteau Latour-Martillacはボルドーの町から少し離れた静かなマルティヤックにあり、またドメーヌ・ド・シュヴァリエDomaine de ChevalierはレオニャンLéognanにありますが回りを森に囲まれ、特有のテロワールとなっています。
シャトー夕焼け Martillac
Chevalier2 Domaine de Chevalier畑

さて、フランス語でパプとは法王のことですが、このシャトーは1305年に法王クレマン5世になったボルドーの大司教ベルトラン・ド・ゴ氏に由来しています。

今日ではベルナール・マグレ氏が所有し、特級格付けの赤、そして格付けこそされていないものの上質な白ワインを生み出しています。

敷地は美しく整えられており、ワインを造る場所というよりも貴族の館のような優美な雰囲気が漂っていました。

ボルドーは大きな町ですが、交通量の多い街中を抜けるとすぐにぶどう畑が広がりこのような場所があり、魅力的です。

シャトー・パプ・クレマンのワインですが、赤ワインは厳密なトリ(選果)が行われたぶどうの粒が木製の発酵容器に入れられ、アルコール発酵が行われます。熟成はバリックで約18ヵ月。

透明な瓶に入れられる白ワインは、僅か7.5haの畑から、平均23hl/haという超低収量の希少な逸品です。選果された健全なぶどうは全房のまま圧搾され、得られた果汁はアルコール発酵の行程に進みます。発酵容器はバリックと、一部卵型のコンクリート・タンクが用いられます。熟成はバリックで、バトナージュを行います。

力強く長期熟成に向く見事な赤ワイン、濃密で深みのあるリッチな白ワイン、これからの季節、滋味のある食材と共に楽しまれたら素晴らしい時間を与えてくれることでしょう。

Clos Yは、11月3日のレストラン講座のテーマを「法王に愛されたワインたち」とし、テーマのワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。シャトー・パプ・クレマンの白ワイン(グラン・ヴァン)も登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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