世界最高の白ワインである、と言った場合に最も反論の少ないであろう偉大なワインです。
このワインはフランス、ブルゴーニュ地方のモンラシェと言う名の畑のぶどうから造られます。
この畑はピュリニーPulignyとシャサーニュChassagne両村にまたがっていて、どちらの村もこの偉大な畑の名を村の名前に付け、それぞれピュリニー・モンラシェPuligny-Montrachetそしてシャサーニュ・モンラシェChassagne-Montrachetと言う名にしています。
今回は、ピュリニー・モンラシェ村の造り手、ジャン・シャルトロンJean-Chartronをご紹介いたします。
グラン・クリュであるシュヴァリエ・モンラシェChevalier-Montrache、バタール・モンラシェBâtard-Montrachetなど素晴らしい畑を所有し、上質なワインを生産しています。
シャサーニュ・モンラシェ村では赤ワインの生産も多いのでシャサーニュ・モンラシェ赤を飲まれたことがある方は少なくないと思いますが、法的にピュリニー・モンラシェでも赤ワインの生産は認められています。
しかし土壌との相性のためなのか、ピュリニー・モンラシェの名を冠した赤ワインを見かけることはほとんど無いと言っていい状況です。
そんな中、ジャン・シャルトロンは、ピュリニー・モンラシェ、しかも1級格付け畑に黒ぶどうピノ・ノワールを植え、赤ワインの生産を行っています。
私の知る限り、ピュリニー・モンラシェの赤ワインを生産している造り手は他にあと1軒。わずか2生産者しかピュリニー・モンラシェンの赤ワインを造っていないということは、やはりこの土地は白ワインの生産に向いているということでしょう。
肝心のワインですが、白は果実味が十分ありますがそれを上回る酸味が主体のエレガントな構成で樽は強すぎず適度にボワゼが表現されています。赤はブルゴーニュ、ポマールPommard、シャサーニュも試飲しましたが、なかなか凝縮感があり、キュヴェによっては塩味がしっかりと感じられました。
ピュリニー・モンラシェの赤ワイン、1級畑クロ・デュ・カイユレClos du Cailleret2004は2005年秋の時点ではガーネット系の濃い色調を呈し、赤い果実を主体に胡椒などのスパイシーさがある香り。味わいは果実味がしっかりとしていて豊か、少し青い雰囲気があり全体的に少し硬い印象が残りました。
Clos du Cailleretの畑
ピュリニーの赤はなかなかお目にかかることができない希少なワインですが、このようなワインを経験することによってピュリニー・モンラシェという土地の理解が深まると思います。機会がありましたら試されると良いでしょう。
Clos Yは5月6日のレストラン講座のテーマをブルゴーニュのグラン・クリュとし、素晴らしいワインに料理を合わせてお楽しみ頂きます。ジャン・シャルトロンを所有するシャルトロン・エ・トレビュシェのコルトン白も登場いたします。ご興味がございしたらご連絡ください。
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