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ワイン・コラム 第173回 ぶどう品種の話 アルバンヌ編

カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロ...

国際品種と呼ばれる、世界各地で栽培されている品種によるワインは、やはり人気のある品種から造られますので多くの人に好まれ易い特徴を持っていますし、ひとつの品種が表現するそれぞれの土地の個性が感じられて楽しいと思います。

その一方で、ある狭い範囲の土地でしか栽培されていないいわゆる地場品種によるワインは、その品種が育まれた土地と深いつながりを持っていて、飲み手にその土地を思わせたり、個性的な香味を持っていたりして興味深いと思います。

ぶどう栽培の歴史が長い旧世界では各地で地場品種が栽培され続けておりますが、今回ご紹介するのはフランス北部シャンパーニュChampagne地方の白ぶどう品種です。

シャンパーニュ地方のワインと言えば瓶内二次発酵方式で造られるスパークリング・ワインで、使用されるぶどう品種はシャルドネ、ピノ・ノワール、そしてムニエ(ピノ・ムニエ)と認識されていらっしゃる方が多いと思います。

実際のところ、シャンパーニュ地方には非発泡性の赤ワイン、ロゼワイン、白ワインの生産も行われております。そしてワイン醸造に用いられるぶどう品種は、上記3種の他にアルバンヌArbane、プティ・メリエPetit Meslier、ピノ・ブランPinot Blancそしてピノ・グリPinot Grisがあります。もっとも、アルバンヌ以下4種類が占めるシャンパーニュ地方の栽培面積は全体の0.3%にも満たない状況です。

今回は特にアルバンヌについてご紹介いたします。

この白ぶどう品種はシャンパーニュ地方南部オーブ県の古い地場品種です。
Les Riceys オーブ県Les Riceys村
小さく濃い色の葉を持ち、ぶどうの房は小さく、果粒も小さくとても糖度が高くなります。かつてはロゼ色そして黒い色の果皮を持つアルバンヌも存在していたようです。ベト病やうどんこ病に侵され易く、オーブ県以外ではあまり良く熟さないと言われています。1988年には僅か2haの栽培面積しかなかったようです。しかし収量の低いこの品種からは、暖かい年には特に良い品質のワインができていました。

最近では主要3品種の他に、残り4品種を使ったシャンパーニュも探せば見つかるようになってきています。とは言えやはり希少であることは変わりなく、複数品種のブレンドものがほとんどですのでアルバンヌ100%のシャンパーニュは探してもあまり見つけることはできない状況です。

私は一度、ランスでアルバンヌ100%のシャンパーニュを見つけ、買って飲んでみたことがあります。明るめの色調で、良い意味では無い植物的な香りが支配的でびっくりしたことを覚えています。後に生産者と話す機会があり、アルバンヌについて質問してみたのですが「そのように青っぽい香りが強く香ることがあります。」とのこと。少なくとも複数回経験しないとワインについて語るには不十分なので今はあまり詳しいことは言えませんが、今後も機会を設けて希少品種のシャンパーニュを試してみたいと思っております。

見かけることすらままならない、高価でその割に品質がいまひとつ?!のアルバンヌ。なかなか試す機会が無いと思いますが、Clos Yの3月25日のシャンパーニュ地方のワイン講座でアルバンヌ100%のシャンパーニュをご試飲頂けます!この回のテーマは「シャンパーニュ地方のぶどう品種」で、他にシャルドネ100%のシャンパーニュ、ピノ・ノワール100%のシャンパーニュ、ムニエ100%のシャンパーニュの比較試飲を行います。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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