ドメーヌは自らが栽培するぶどうからワインを造るもので、家族経営の小規模な生産者が多いです。それに対しネゴシアンは他者が栽培したぶどうを購入してワインを造る、もしくは他者が生産したワインを購入してそれを熟成させて販売するもので、規模の大きな会社が多いです。
しかしその図式ももはや過去のものになりつつあります。
今日では、家族経営の小規模ドメーヌが小規模ネゴシアンとして購入ぶどうからワインを造るケースが増えています(その場合、同じ人間がワインを造ってもドメーヌものとネゴシアンものは別会社の名前を用い、ラベルも異なります。そうでないと区別がつかないですね。)
また、規模の大きなネゴシアンが自社畑を取得し、ドメーヌものとしてワインを造っています。特に名の知れた、規模の大きなネゴシアンは所有する畑の面積もとても広く、ドメーヌとして見逃せない存在になっています。
今回はそのようなネゴシアン兼ドメーヌで、上質なワインを生産しているブシャール・ペール・エ・フィスBouchard Père et Filsをご紹介いたします。
ブルゴーニュ地方のワイン文化の中心の町、ボーヌBeaune。城壁に囲まれた、まさにワインの町ですが、ブシャール・ペール・エ・フィスの社屋は鉄道の駅からまっすぐ町に向かって進んだ、城壁を入ってすぐのところに位置しています。
この造り手を、私は2度訪問させて頂きました。一度目は2004年。社屋の地下に張り巡らされたカーヴを案内して頂きました。そして2度目は2008年。今度は、ボーヌの北隣りの村、サヴィニー・レ・ボーヌ村Savigny-Lès-Beauneに行きました。というのも、2005年、ブシャール・ペール・エ・フィス社はこの地に最新鋭の醸造所を新たに設けたからです。
2008年の訪問はちょうど収穫時期でした。一年で最も忙しい時なのですが、次々とぶどうが搬入されてくる醸造所、そしてまさに収穫の最中の畑などを案内して頂きました。
選果
白ぶどうも選果
まさに、ぶどうからワインが生まれる現場です。
ドメーヌものも、ネゴシアンものも上質です。良いぶどうを、テロワールの表現に努め醸すブシャール・ペール・エ・フィス。今後も素晴らしいワインを世に送り出していくことでしょう。
Clos Yは、10月8日のブルゴーニュ ステップ・アップ講座 続編のテーマを「ボーヌとその周辺」とし、それぞれのアペラシオンの代表的な銘柄の試飲も行います。ボーヌ代表として、ブシャール・ペール・エ・フィスの「ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェジュ」が登場します!
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