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ワイン・コラム 第154回 アルザス地方の話 マルセル・ダイス編

フランス北東部に位置するアルザスAlsace地方。

小さな村々には色とりどりの美しい家が並び、観光客が多く集まります。

この土地は美食の地としても知られています。フォワ・グラやマンステールMunsterチーズ、ボリュームのある豚肉料理...

ワインの品質も素晴らしく、ワイン愛好家の中でも特に人気の高いワイン産地のひとつです。

この地方のワインは、単一品種により造られるのが一般的です。リースリングRieslingやピノ・グリPinot Gris、ゲヴュルツトラミネールGewurztraminerなど、品種の個性が生きた華やかなタイプのワインが多いです。

今回ご紹介する生産者マルセル・ダイスMarcel Deissはアルザス地方を代表する生産者でありながら、そのワインはアルザス地方の「例外」的なものが多い、特異な造り手です。
Marcel Deiss

アルザス地方には特級Grand Cruに格付けされている畑が51あります。一般的にはアルザス地方でグラン・クリュを名乗るためには、指定されている畑のぶどうからワインを造らなければならないのはもちろん、高貴4品種と言われる限定されたぶどうだけしか使用が認められず、それもほとんどの場合単一品種でワインが造られます。

しかしマルセル・ダイスは、例えばグラン・クリュであるマンブールMambourgの場合、この地はピノに適しているという考えの下、Pinot Blanc, Pinot Gris, Pinot Noir, Pinot Beurot, Pinot Meunierを栽培し、ワインを造っています。Pinot Meunierなどアルザス地方でA.O.P.ワインを造るためには認められていない品種です!それを使ってでもなおグラン・クリュとしてワインを流通させることができるのはこの生産者のみでしょう。
Mambourg Mambourgの畑

マルセル・ダイスはワイン法をも変える、まさに別格の生産者なのです。

他にもこの造り手の特筆すべき点として、ぶどう品種の混植、混醸、密植(1haあたり12,700株など)、低収量(1haあたり15~20hlなど)など、枚挙に暇がありません。

ワイン造りに何でもありのような感もありますが、この造り手が目指すものはただ一つ、「テロワールの表現」です。そのために土地と真摯に向き合い、ワインに表現しています。

マルセル・ダイスのワイン、特にグラン・クリュなどは高価です。アルザス・ワインが好きな方の中でも、15,000円を払ってマンブールを飲もうと思う方は少ないようです。そのため、知名度が高い割にそのワインは謎に包まれている部分が多いように思われます。

ある土地の声を聞いてみたいと思った時、マルセル・ダイスのワインを飲んでみてはいかがでしょうか。その土地でしか表現できない何が示されているはずです。

Clos Yは、マルセル・ダイスが手掛ける全てのグラン・クリュの試飲を含むワイン講座を企画しています。ご興味がございましたらご連絡ください。

講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com

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