より正確には、フランシュ・コンテ地域圏のジュラ県で造られるワインを指します。
ワイン産地の括りとしてサヴォワSavoieとまとめられることが多いですが、ジュラのワインとサヴォワのワインは、使用する品種も一部を除き異なり、タイプも異なります。
ジュラのワインは黄ワインとして知られるヴァン・ジョーヌVin Jauneや藁のワインヴァン・ド・パイユVin de Pailleなど、個性的なものがありますが、シャルドネやピノ・ノワールも栽培されています。実はブルゴーニュからほど近い(ボーヌBeauneからアルボワArboisまで70kmほど)ワイン産地です。
今回は、小さなジュラ地方の中でも特に小さなワイン産地、日本であまりお目にかかることがないレトワールL’Etoileをご紹介いたします。
フランス語でエトワールは星を意味します。そんな美しい名を持つこのアペラシオンは、ジュラのワイン産地のちょうど中央あたりに位置しています。
レトワールの名を名乗ることができるワインを生みだすことができる畑は僅か80haほど。レトワールのワインはフランスでもあまり出会うことができない希少なワインです。
レトワールのワインは白のみ。白と言っても個性的で、いわゆる一般的な白ワインの他、前述したヴァン・ジョーヌ、ヴァン・ド・パイユがあります。
ヴァン・ジョーヌはサヴァニャンSavagninというジュラの地場品種のワインなのですが、樽で6年も熟成させる他に類を見ないワインです。濃い色調とシェリーのよう、と例えられる独特の風味が特徴です。
ヴァン・ド・パイユは、ジュラ地方以外でも見られますが、藁の上で収穫したぶどうを乾燥させて造る複雑な味わいを持つ甘口ワインです。
私はこのアペラシオンを代表する生産者であるシャトー・ド・レトワールChâteau de l’Etoileを訪問しました。
小高い丘の上にあるワイナリーは風情があり、この地方の風景に溶け込んでいます。
この生産者はスパークリング・ワインも造っていますが、こちらはレトワールではなくクレマン・デュ・ジュラCrémant du Juraのアペラシオンが適応されます。
レトワールのシャルドネによる白ワインは、お隣のブルゴーニュのシャルドネの白ワインと、やはりタイプが異なります。樽熟成を2~3年もの長い間行うこともあるといった醸造上の違いもありますが、やはり同じ品種とは言えぶどうの質が異なるのでしょう。少しスパイシーでナッツのような香りがあります。
このようなワインは、まさに食事と共に楽しむべきワインです。甲殻類、特にほんのりカレーの風味を纏わせた料理との相性は抜群です。
もしレトワールのワインが手に入る機会がありましたら、試す価値ありです!
Clos Yは、4月16日のレストラン講座のテーマを「ジュラ地方」とし、入手困難な銘柄を含む素晴らしいワインをそれに合わせた特別料理と共にお楽しみ頂きます。レトワールも登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。
講座へのお申し込み、ご質問等はこちらのアドレスにご連絡ください。
vinclosy@aol.com
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