その華やかな香りと凝縮した味わい、余韻の長さなどが人気の理由だと思うのですが、それはフランスでもトップ・レヴェルに乾燥した気候と多彩な土壌構成がもたらすワインの凝縮感と複雑性にあるのでしょう。
今回ご紹介する造り手さんは、アルザスでも最高級の評価を得ているマルク・クライデンヴァイスMarc Kreydenweissです。
アルザス地方にも、ボルドー地方やブルゴーニュ地方同様にグラン・クリュGrand Cruがあります。アルザス地方では、上質なぶどうが実るとされる51の畑が特級に格付けされています。
51も特級畑があると、やはり別格扱いされるクリュがあります。そのうちのひとつが、アルザスで唯一シスト(粘板岩)土壌であるカステルベルクKastelbergです。
滑り落ちそうな急斜面畑。
アルザス地方を代表するぶどう品種であるリースリングRieslingの原産国のドイツの2大銘醸地のひとつ、モーゼルMoselと同じ土壌を持つこのグラン・クリュは、やはり偉大なリースリングを生み出しています。
中でも最高級の評価を受けているのがこのマルク・クライデンヴァイスのワインなのです。
改めて造り手をご紹介しますと、アルザス地方北部、アンドローAndlauの村に居を構えています。家族経営のこのドメーヌは、並みはずれたワインの品質によって世界にその名を知らしめています。
看板はカステルベルクのリースリングですが、他にも複数のグラン・クリュを所有しており、目が覚めるようなワインを造り続けています。
肝心のカルテルベルク・リースリングは、本当に一生に一度でも体験すべきワインだと思います。自然のままにワインを造る造り手なので、収穫年のぶどうの糖度により甘味のレヴェルがまちまちなのですが、甘い、甘く無いを凌駕した圧倒的な完成度で迫ってきます。世の中には知名度の高い高級ワインが複数ありますが、それらを差し置いてでも経験すべきワインがあるという、良い例です。
一度、試してみてはいかがでしょうか?
Clos Yは、10月16日のレストラン講座のテーマを「アルザス」として、アルザス地方の上質ワインとそれに合わせた料理をお楽しみ頂きます。マルク・クライデンヴァイスのグラン・クリュ、Mœnchebergも登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。
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