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ワイン・コラム 第135回 シャンパーニュ地方の話 上質なスティル・ワインに注目!編

フランス北東部に位置する、パリから一番近いワイン産地、シャンパーニュChampagne地方。

 

言わずと知れた、世界最高峰のスパークリング・ワインの産地として名声を誇っていますが、ひっそりとスティル・ワイン(発泡性では無い、いわゆる普通の白ワイン、赤ワイン、ロゼ・ワイン。)が造り続けられていることはあまり知られていないようです。

 

今回は、シャンパーニュ地方で造られているスティル・ワインをご紹介したいと思います。

 

まず、シャンパーニュ地方には、原産地呼称(A.O.P.)として、

 

1、  Champagne

2、  Coteaux Champenois コトー・シャンプノワ

3、  Rosé des Riceys ロゼ・デ・リセイ

 

の3つがあります。

 

1のChampagneは、スパークリング・ワイン専門のアペラシオンです。いわゆる「シャンパン」です。

 

2のコトー・シャンプノワは、シャンパーニュ地方で造られるスティル・ワインで、赤ワイン、白ワイン、ロゼ・ワインの生産が認められています。白ワインにはChardonnayシャルドネが、赤そしてロゼ・ワインにはPinot Noirピノ・ノワールとPinot Meunierピノ・ムニエが用いられます。

 

有名メゾンが造る高品質なコトー・シャンプノワ(日本で入手可)を挙げると、

Egly-Ouriet Coteaux Champenois Ambonnay Rouge

Bollinger Coteaux Champenois La Côte aux Enfans

Henri Giraud Coteaux Champeois Blanc

などがあります。

 

個人的に忘れられないのは、

René Geoffroy Coteaux Champenois Cumières Rouge Pinot Meunier 2008

DSC00671 - コピー 

他、日本ではあまり見かけませんが、Laurent-Perrier, Moët et Chandon, Gatinoisなどもコトー・シャンプノワを造っています。

 

コトー・シャンプノワは、シャンパーニュ(スパークリング・ワイン)に用いられるようなコルク栓が使われている場合が多いようです。その場合、外観はシャンパーニュ(スパークリング・ワイン)のように見えます。特にフランスのワイン屋さんなどで、シャンパーニュ(スパークリング・ワイン)を買ったつもりなのに実はコトー・シャンプノワを買ってしまった、ということが起き得ますので、これからフランスに行ってシャンパーニュを買うつもりでいらっしゃる方はコトー・シャンプノワの存在を頭の片隅にでも入れて置かれると良いかもしれません。

 

さて、コトー・シャンプノワの品質ですが、シャンパーニュ地方はフランスでも最北のワイン産地で、冷涼なところです。そこで育つぶどうはあまり糖度が上がらず、酸味が強い果汁が得られます。それがそのままワインになりますので、濃縮感が強くなく、色あいも淡く、酸味のしっかりとしたワインが多いです。例えば、コトー・シャンプノワの赤を、同じ価格のブルゴーニュのピノ・ノワールと比べると薄くてがっかり、ということになる場合が多いと思います。

 

しかし、上に挙げたような、とても上質なコトー・シャンプノワもありますし、近年は温暖化の影響もあるのか、ぶどうの成熟度が増し、過去に比べ上質なコトー・シャンプノワが増えてきたのが実感されます。日本で見かけないコトー・シャンプノワがフランスなどで売られていたら、遊び半分で試してみるのも良いでしょう。

 

続いて、3のロゼ・デ・リセイですが、このワインはシャンパーニュ地方南部Les Riceysレ・リセイ村周辺で栽培されるピノ・ノワールのみから造られるロゼ・ワインです。つまり、ロゼ・デ・リセイといえば、必ずピノ・ノワール100%のロゼ・ワインということです。

 

コトー・シャンプノワのワインに比べると、ロゼ・デ・リセイは、原料となるぶどうが南部のより暖かい土地で育っていますので、ロゼとは言えより厚みのあるものが多いです。

Les Riceys 樹 Les Riceysの畑

Les Riceys 川 村に流れる川 

世界でロゼ・ワイン・ブームが起こっていると言われています。大体のロゼは早飲みタイプのフレッシュでフルーティなもので、それはそれで魅力があります。ただ、ピノ・ノワールを原料とした、冷涼な地域で造られるロゼは、クールな雰囲気をたたえた、独特の美しさがあるように感じられます。ロゼ・デ・リセイはまさにそのようなワインで、生産量こそ多くないものの、フランス最上のロゼ・ワインのひとつと言えるものがあると思います。

 

シャンパーニュ地方のスティル・ワイン。あまり見かけることはありませんし、見つけたとしても決して安くは無い価格が付けられています。今までは好奇心の強い、もしくは勉強熱心な人が試せばよいもの、というようなワインだったように思われますが、近年素直に心を打つ、驚くべき品質のものが増えてきているようです。

 

暑い時期は赤ワインを敬遠しがち、という方など、試してみてはいかがでしょうか?

 

Clos Yは、9月1日のレストラン講座のテーマを「シャンパーニュ」とし、フル・コースのフランス料理(☆付きレストランが会場です!)をシャンパーニュ地方のワインと合わせてお楽しみ頂きます。メインのお肉料理には、重厚感のあるロゼ・デ・リセイに登場して頂きます!ご興味がございましたらご連絡ください。

 

 

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vinclosy@aol.com

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