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ワイン・コラム 第125回 ブルゴーニュ地方の話 アルマン・ルソー編

アルマン・ルソーArmand Rousseau

 

この名を聞くだけで気持ちが高まるワイン愛好家は少なくないことでしょう。ジュヴレイ・シャンベルタン村Gevrey-Chambertinに居を構えるこの造り手は、同村のみならず全ブルゴーニュを代表する造り手のひとりです。

 

グラン・クリュGrand Cruを豊富に所有し、生産するワインの大半がプルミエ・クリュ以上という並々ならぬ生産者です。

 

ワインはもちろん畑により異なりますが、色は濃く、凝縮感があり、豊かで、どこか獣を思わせるアニマル香が感じ取れることがあります。

 

私がこの造り手を訪問させていただいたのは2004年のことでした。私はひとりで訪問の予約を入れましたが、外国からのワインのバイヤーなどとグループで案内して頂きました。

 

早速樽熟成庫で試飲の始まりです。まだ樽熟成中の2003ヴィンテージを試飲させて頂きました。

 

記録的な猛暑に見舞われた2003年。もともと力強いタイプのワインが、例年よりさらに凝縮していたようです。

 

通常、試飲は軽いものから始まり、重いものへと移っていきます。ワインの格で言うと、ブルゴーニュの場合、村名(ヴィラージュ)→1級(プルミエ・クリュ)そしてグラン・クリュ(特級)という流れです。

 

しかし、この訪問では、リュショット・シャンベルタンRuchottes-Chambertin(特級)

Ruchotte-Chambertin

Clos des Ruchottes 

→クロ・ドゥ・ラ・ロシュClos de la Roche(特級)

Clos de la Roche

→マジ・シャンベルタンMazis-Chambertin(特級)

Mazis-Chambertin

→シャルム・シャンベルタンCharmes-Chambertin(特級)

Charmes-Chambertin2

ときて、それから2つのプルミエ・クリュ、ラヴォー・サン・ジャックLavaux Saint-Jacquesとクロ・サン・ジャックClos Saint-Jacquesという流れでした。

 

これは、特にクロ・サン・ジャックがプルミエ・クリュでありながらグラン・クリュに比肩するテロワールとしての力を秘めているためと思われます。

 

この日の私には、クロ・ドゥ・ラ・ロシュの豊かな果実味とバランスの良い酸味、なめらかなタンニンと長い余韻が一番印象に残りました。

 

さて、クロ・サン・ジャックの後は、いよいよジュヴレイ・シャンベルタン村が誇る2トップのグラン・クリュの登場です。

 

シャンベルタン クロ・ド・ベズChambertin Clos de Bèze

Clos de Beze1

そして

シャンベルタンChambertin

Chambertin1 

どちらも流石の内容。まだ樽熟成中の、言わば「未完成品」ながら心を打つ素晴らしいワインでした。

 

ジュヴレイ・シャンベルタン村には、ドゥニ・モルテDenis Mortetやクロード・デュガClaude Dugatなど、ブルゴーニュでもトップ・クラスの造り手が複数存在しています。

 

それらの名声ある造り手さんも、次の世代への交代が進んでいます。新しくブルゴーニュの世界へ足を踏み入れる方はもちろん、古くからのブルゴーニュ愛好家で、最近アルマン・ルソーなどを飲んでいない方も、近年のヴィンテージを試してブルゴーニュの「今」を感じてみてはいかがでしょうか?

 

 

Clos Yは5月12日のレストラン講座のテーマを「ブルゴーニュ」とし、ブルゴーニュの良質なワインを、それに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。アルマン・ルソーの「レ・カズティエLes Cazetiers2006」も登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。

 

 

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