少量生産のため希少、さらに超高価で様々な意味で入手困難なワインです。カリフォルニア州にそのような銘柄が複数存在していますが、もちろんアメリカ以外の国にも存在しています。
今回ご紹介するソレンバーグSorrenbergのワインも、カルト・ワインと呼ばれています。
ソレンバーグはオーストラリアAustralia、ヴィクトリア州Victoriaの北東部に位置するビーチワースBeechworthという地区に居を構えるワイナリーです。
ワイナリー入口
このビーチワースという小さなワイン産地には、ジャコンダGiaconda、カスターニャCastagna、サヴァテールSavaterreなど高品質なワインを造る造り手が集中しています。
ソレンバーグもこの地区を代表する重要な造り手のひとつです。有機栽培で育てた健全なぶどうを、なるべく人の手を加えずに上質なワインにしています。
これはピノ・ノワール
この造り手を代表する銘柄が、ガメイGamayです。フランス以外でほとんど見かけることが無い、カジュアルなイメージを持つこのぶどう品種が、オーストラリアの奥地(?)でひっそりと栽培され、それがカルト・ワインになっているのはとても興味深いことです。
カルト・ワインだけに現地でもなかなか見つかりません。ソレンバーグのHPにオーダー・フォームがありますが、ガメイはunavailableとなっています(2013年3月15日現在)。引き合いの強さが伺い知れます。
ビーチワースの町のレストランのメニューを見て歩き、ようやくこのガメイが置いてあるお店を見つけました!
のどかな田舎のレストラン
カルト・ワインと言っても一部のカリフォルニア・ワインのような値段は付けられておりません。また、凝縮感を追い求めた結果の少量生産のワインでもありません。あくまでもナチュラルに造られた、言わば自然派ブルゴーニュ的ワインです。とは言えボージョレBeaujolaisのガメイとは様子が違います。と言うより、このガメイをブラインドで飲んでボージョレを思い浮かべる人はほとんどいないのではないかという、構成のしっかりとした密度の高いワインです(ピノ・ノワールが10%ほどブレンドされています。)。
このワイン、2012年までは日本へ輸入されていましたが、現在はもう入ってきておりません。私たち日本のワイン愛好家にとって真に手の届かないカルト・ワインになってしまいましたが、このようなワインを現地で飲むことこそ、旅の醍醐味ですよね。
カルト・ワインに限らず、日本で手に入れることができない素晴らしいワインが世界中のワイン産地に隠れています。現地を訪れる際には、有名なワインではなくそのようなワインを試してみるのも良い思い出になることでしょう。
Clos Yは4月7日のレストラン講座のテーマを「オーストラリア」とし、極上のワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。ソレンバーグのガメイも登場します!ご興味がございましたらご連絡ください。
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