今年はどのような年にしていきますか?
今年は3月に世界ソムリエ・コンクールが東京で開催されます。過去、1995年に東京で開催された時には日本代表の田崎真也氏が優勝され、世間がワインに注目しました。今回も、メディアが注目することでしょう。ワイン業界のイヴェントが一般的なニュースとして取り上げられるのは、毎年ボージョレ・ヌーヴォーの解禁くらいのものですから、3月のコンクールが日本のワイン業界全体を盛り上げてくれるかなと期待しております。
Clos Yは、2013年も秘蔵のワインをレストラン講座等で提供していきます。まずは2013年第1回目のレストラン講座、極上ワインと料理のマリアージュ(1月14日)で、シャトー・デュクリュ・ボーカイユChâteau Ducru Beaucaillou1966や、アルザス ゲヴュルツトラミネール ヴァンダンジュ・タルディヴ Alsace Gewurztraminer Vendanges Tardives1990 ジョスメイエJosmeyerなど...
今回は、アルザス地方の実力派の造り手、ジョスメイエをご紹介したいと思います。
この造り手は、アルザス地方の人気の観光町コルマールColmarから西に5kmほどのヴィンツェンハイム村に居を構えています。
この造り手の特徴として、畑を有機栽培で管理していることが挙げられます。1999年にはビオディナミ農法を取り入れました。醸造もナチュラルで、酵母は添加せず天然酵母によるアルコール発酵を行い、補糖(ぶどう果汁に糖分を加えてワインのアルコール度数を上げる技術)は行いません。
しっかりと果実味がありながらしなやかで優しさのある味わいが和食と合うのでしょうか、東洋的思想に通じる哲学があるのでしょうか、漢字で「蓮」と書かれたものなど、和風のラベルが貼られたワインもあります。
実際ワインは素晴らしい品質です。アルザスは、アルザス・グラン・クリュAlsace Grand Cruという特級畑が51ありますが(今後これらのグラン・クリュひとつひとつが独立したアペラシオンになる模様です。)、グラン・クリュを名乗るためには厳しい条件をクリアしなければなりません。良く知られているものとしては、アルザス高貴4品種しか(例外もありますが)グラン・クリュと名乗ることができません。ジョスメイエは、グラン・クリュの畑に高貴4品種以外の品種、例えばピノ・オーセロワPinot Auxerrois等を植えて、一般的なアルザスとして販売しています。これが素晴らしいのです!
特級畑に特級を名乗ることができない、言ってしまえば無名の品種を栽培し続け、高品質なワインを造る...かっこいいです!
このような造り手さんは応援したいと思いますが、私などが応援しなくてもその品質によって世界で高く評価されています。
世界には稀にこのような「裏グラン・クリュ」とでも言うべきワインが存在しています。このようなワインを見つけ出して、偉大な土地を思いつつ味わうのもワイン特有の楽しみですね!
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- ワイン・コラム 第118回 アルザス地方の話 ジョスメイエ編 from Clos Y / クロ・イグレック