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ワイン・コラム 第114回 ブルゴーニュ地方の話 ドメーヌ・デュ・シャソルネイ編

時が止まったような、静かなサン・ロマン村Saint-Romainに居を構えるドメーヌ・ドゥ・シャソルネイDomaine de Chassorneyのワインは柔らかく、旨味が強く、ナチュラルで、強い抽出はありませんが密度があります。私はこの造り手のワインが個人的に大好きで、過去に飲んだワインは忘れがたい記憶を残しています。

St-Romain サン・ロマン村 

世界中のワインの造り手を訪問させて頂いて、忘れられないワインは数多ありますが、中には忘れがたい記憶を残す人物もいます。今は亡きディディエ・ダギュノー氏やジュラの巨匠ピエール・オヴェルノワ氏、ペゴーのポール・フェロー氏...シャソルネイのフレデリック・コサールさんは、そのワイン同様に(?!)インパクトの強い人物でした。

 

ドメーヌを訪問させて頂いて、ひと通り(醸造設備、熟成庫等)を見せて頂いて、一般的な訪問の流れの通り最後にワインの試飲をさせて頂きます。私の質問にはまじめに答えて頂いておりましたが、試飲の際には「まあ飲んでいけ」というような、試飲というよりこれから飲み会が始まってしまうような雰囲気です。初対面でしたが、旧知の友人のように接してくれます。

 

おいしいワインですし、飲みたいのですが、私は複数のワインを同時に試飲する場合はワインを飲み込まずに、口に含んだワインを吐き出すようにしています。もったいないようなことですが、世界中のほとんどのソムリエやワイン醸造家はそのようにしています(一度口に含んだワインを吐き出す用の専門の容器もあります。)。まして私は車で来ていますから、ワインは飲みたいですがアルコールを摂取するわけにはいきません。友好的なコサールさんのありがたい申し出を断るのは大変でしたが、最終的にはほとんど飲まずに切りぬけました。コサールさんは途中合流した友人と楽しそうに話しながらご機嫌です。結局予定時間を大幅にオーヴァーして暗い道を帰ることになりました...

 

まあコサールさんの好人物っぷりは置いておいても、この造り手のワインは実に素晴らしいものです。アルコール発酵には天然酵母を用い、SO2を添加しない、フィルターをかけずに瓶詰めをする、などいろいろ醸造所でのこだわりもありますが、やはり高品質ワインの鍵は畑仕事にあると思います。

 

シャソルネイのワインは世界にその名を轟かせるシャンベルタンChambertinやモンラシェMontrachetではなく、知名度の低いサン・ロマンやオークセイ・デュレスAuxey-Duressesなどが主力商品です。このような、いわゆる世界トップの極上畑ではない畑からこれだけ素晴らしいワインを造るというのは尊敬に値すると思います。

 

ドメーヌの規模が大きくないため生産本数は多くなく、人気の造り手なので入手は簡単ではないかもしれませんが、試す価値あり、です。白も赤も見事な品質で、楽しませてくれると思います!

St-Romain2

St-Romain3 

Clos Yは、12月2日のレストラン講座のテーマを「ブルゴーニュ」とし、上質なブルゴーニュ・ワインをそれに合わせた料理と共にお楽しみ頂きます。シャソルネイのサン・ロマン・コンブ・バザン2006とオークセイ・デュレス・レ・クレ2006の同時比較も行います!ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

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