美しい海沿いに細長く伸びるこの州では、ピガートPigatoやロッセーゼRosseseなどの地場品種が栽培されており、おいしいワインになります。
中でも最高の知名度を誇るのはチンクエ・テッレCinque Terreでしょう。
チンクエ・テッレと言えば、一般的には世界遺産に登録されている、リグーリア州、ラ・スペツィア県にある5つの村々を指します。
ワインのチンクエ・テッレは、まさにその世界遺産のチンクエ・テッレのエリアにあるぶどう畑のぶどうから造られる白ワインです。ボスコBosco、アルバローラAlbarola、ヴェルメンティーノVermentinoなどのぶどう品種が使われます。
私は2010年に、5つの村々のうちのひとつ、リオマッジオーレRiomaggioleに行ってまいりました。
もうすぐリオマッジオーレ
海からすぐに絶壁がそそり立っており、ぶどう畑はぽつん、ぽつんと小さな区画であちらこちらに点在しています。
エルミタージュやドイツの急斜面を見ると、あのような環境の畑で作業をするのは大変だろうと思いますが、まさにこの地もそうでした。畑に行くだけで疲れてしまいそうです。
町では、家々の壁はカラフルに塗られていて目を楽しませてくれます。険しい土地ですので、家を建てられるスペースも少ないためでしょう、波しぶきを浴びるような場所に建てられている家もあります。
窓からの眺めは素晴らしいでしょうね!
ワインに話を戻しますと、辛口白ワインのチンクエ・テッレはとても上質です。あまり多くの種類をテイスティングしておりませんが、傾向としてミネラル感が強く、シャブリを思わせるような部分があります。
希少なチンクエ・テッレですが、語る上で外すことができないのがさらに希少なシャケトラCinque Terre Sciacchetràです。原料となる白ぶどうの果皮を、太陽熱が赤くする年にのみ生産されると言われています。
シャケトラ用のぶどうは、収穫後2ヵ月ほど乾燥させられます。その結果水分が飛んで凝縮したぶどうを絞り、濃厚な果汁を得ます。この果汁を発酵させますが、果汁が含有している糖分を全てアルコールに変化させないため、甘口のワインになります。これがシャケトラです。ただでさえ量の少ない原料ぶどうを、乾燥させて凝縮させるので、まさに稀有なワインです。
辛口には辛口の、シャケトラにはシャケトラの良さがあります。もし幸運にも出会う機会がありましたら、是非試してみてください。その品質は期待を裏切らないと思います。
Clos Yの7月22日のレストラン講座のテーマは「オマール海老と地中海のワイン」です。高級食材オマール海老を使用したフル・コースの料理に、地中海の上質なワインを合わせます。デザート(デザートにはオマール海老は使用しません。)時にはチンクエ・テッレ・シャケトラが出ます!ご興味のある方はご連絡ください。
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