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ワインコラム 第96回 アルザス地方の話 ポール・ブランク編

今回は、2010年に訪問したアルザスAlsace地方の造り手、ポール・ブランクPaul Blanckのお話です。

 

コルマールの北西10kmほどのキーンツハイムKienzheim村に居を構えるこの造り手は、20世紀初頭から家族経営でワインを造り続けています。

 

案内してくださったのは長身のフィリップ・ブランクさん。優しい笑みをたたえる温かい人柄の方ですが、ワインについて語り出すと止まらない!情熱を持った方です。

 

アルザス地方に限った事ではありませんが、ワイン造りに最も重要なのは上質なぶどうであり、そのために重要なのは良い畑です。土壌の構成、傾斜、斜面の向きなど、良い畑のための条件はいろいろあります。

 

アルザス地方では、スティル・ワインに2つのA.O.C.があります。アルザスAlsace A.C.とアルザス・グラン・クリュAlsace Grand Cru A.C.です。グラン・クリュに指定されている畑は2012年現在51あり、その限られた条件の良い畑のぶどうから造られたワインのみ、アルザス・グラン・クリュを名乗ることができます。

 

ブランクさんに畑まで連れて行っていただきました。キーンツハイム村の北の斜面には、2つのグラン・クリュがあります。

 

まずはシュロスベルグSchlossberg。アルザスで最も有名なグラン・クリュのひとつと言えるでしょう。私は個人的にシュロスベルグのリースリングRieslingが大好きです。一般的なアルザス・リースリングに比べ、びしっと太いミネラルが骨格を形成していて、力強く、安定感があり、果実味と酸味が高いレヴェルでバランスを保っています。香りも強く、余韻も長い、世界中のリースリングのお手本のようなワインになります。

DSC00450 シュロスベルグがある丘。 

シュロスベルグがある丘から、谷を越えて、隣の丘にはフルシュテンタムFurstentumがあります。先ほどのシュロスベルグが花崗岩土壌、真南向きの畑であるのに対し、フルシュテンタムは泥灰、砂岩、石灰質土壌で、やはり南向きの畑です。ワインは、シュロスベルグが力強く、かつ繊細なのに対し、フルシュテンタムはより力強さが強調されたスタイルに仕上がるように私は思います。

DSC00451 南向きのフルシュテンタム。 

訪問は9月でしたが、畑には収穫間近のぶどうもあり、ぶどうを食べさせて頂きながらいろいろなお話を伺いました。

DSC00452 収穫間近のぶどう。

DSC00453 フルシュテンタムからの眺め。

話し始めると止まらないブランクさんですから、思ったより時間が過ぎ、ドメーヌに戻ってテイスティングは手早く済ませることになりました。

 

辛口から、収穫を遅らせた甘口まで、7種類のワインをテイスティングさせていただきましたが、いずれも素晴らしいワインでした。特に、畑名入りのキュヴェは心を打つ品質の高さでした!

 

いつ飲んでもおいしいアルザスのワインですが、私は何故か春になるとアルザスのワインを飲みたくなります。

 

春の訪れを感じながら、香り高いアルザスのワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

Clos Yは、4月8日のレストラン講座のテーマをアルザスとし、オステルタグ、ビネール、マルセル・ダイスなどのワインをアルザス地方の郷土料理(タルト・フランベ、シュークルートなど)とお楽しみ頂きます。ポール・ブランクの甘口ヴァンダンジュ・タルディヴも出ます!ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

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