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ワインコラム 第94回 カリフォルニアの話 フラワーズ編

アメリカ合衆国、カリフォルニア州のワイン。

 

そう聞いて、どのようなワインを思い浮かべますか?

 

アルコール度数が14.5%を超えるようなジャミーなカベルネや、酸味の穏やかな濃厚なシャルドネ、というのが一般的なイメージでしょうか。

 

それはそれで、ひとつの事実だと思います。そのようなワインは数多く生産されており、高い評価を得ているものもあります。

 

私は個人的にそのようなワインも好きですが、心を動かされるのは、カリフォルニアの中でも冷涼な地域で造られる、エレガントなタイプのワインです。

 

今回は、フラワーズFlowersという造り手さんをご紹介いたします。

 

カリフォルニアは内陸は暑く、冷たい海流が流れる海沿いは涼しくなっています。フラワーズは人気の無い山中、海岸に近い高地に居を構えています。つまり、一般的なカリフォルニアのイメージとは異なる冷涼なところです。

DSC00306 涼風の吹き込む醸造所。 

例えば、ナパ・ヴァレーからフラワーズまで行こうとするならば、ある程度の移動を覚悟しなければなりません。私は朝にナパ・ヴァレーのセント・ヘレナSt. Helenaという町から出発したのですが、土地勘が無いことも手伝い、さんざん迷った挙句ようやくたどり着きました。特に、町から離れて、山道に入ってからはろくに道路標識も無く、行けども行けども細い山道で、悪い夢の中にいるような時間を過ごしました...

 

しかし、フラワーズがある近辺はとても美しいところです。標高400m前後の畑からは、辺りが一望できます。前述の通り海に近く、少し走ると真っ青な海が広がっていて、涼しい風が吹き付けてきます。

DSC00309 急斜面の畑。 

何といってもこの造り手の代表的なワインは、キャンプ・ミーティング・リッジCamp Meeting Ridgeという畑のぶどうから造られるワインです。この畑にはシャルドネとピノ・ノワールが植えられていて、それぞれ上質な白ワイン、赤ワインが造られます。

 

キャンプ・ミーティング・リッジ以外の畑のぶどうからのワインもありますが、この造り手は白はシャルドネ、赤はピノ・ノワールにこだわっています。その中で異彩を放つのはピノ・ノワール、シラー、ピノ・ムニエ、シャルドネのブレンドによるペレニアルPerennialです。このようなブレンドによるワインは、世界中を見渡しても他に例が無いと思います。このワインも上質です。一度は試す価値があると言えるでしょう。

 

開放感のある土地に開かれた畑は、往路の困難とも相まって、別世界と言いますか、違う次元に来ているような気持ちになりました。実際、流れる空気や日差しなど、特別な環境にある土地なのだと思います。

DSC00313 どこか幻想的な木 

フラワーズを未経験の方は、一度試されてみることをお勧めさせて頂きます。特に、カリフォルニアにありながら冷涼な、別世界的な風景を思い浮かべながら飲まれますと、更にその魅力を増すと思います!

 

Clos Yは、3月21日のレストラン講座のテーマを「カリフォルニア」とし、フラワーズのペレニアルを含む上質なワインをお楽しみ頂きます。ワインに合わせた一夜限りの特別料理にもご期待ください!

 

 

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vinclosy@aol.com

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