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ワインコラム 第82回 ぶどう品種の話 プルサール編

今回は、珍しいぶどう品種をご紹介いたします。

 

フランス東部、ジュラJura地方のプルサールPoulsard(Ploussardとも書かれます。)です。

 

ジュラ地方はワインの生産量が少ないうえに、地元で消費されてされてしまうので、そのワインが市場に出回る量は極僅かで、あまりお目にかかれることがありません。

 

しかし、ワインはとても個性的で面白いものです。有名なものは、サヴァニャンSavagninから造られるヴァン・ジョーヌVin Jauneや、陰干ししたぶどうから造られる甘口ワインであるヴァン・ド・パイユVin de Pailleが挙げられます。

 

今回ご紹介するプルサールは、ジュラ地方のワイン文化の中心となる町、アルボワArboisを起源とする黒ぶどうです。

Poulsard 

ワイン用のぶどうは、実に数えきれないほど無数に存在しています。濃い、しっかりしたタイプの赤ワインを生む品種として有名なものは、カベルネ・ソーヴィニヨンCabernet SauvignonやメルロMerlot、サンジョヴェーゼSangiovese等があります。

 

逆に、比較的明るい色調で、エレガントな赤ワインを生みだす品種として有名なものは、ピノ・ノワールPinot NoirやガメイGamay等があります。

 

プルサールは、後者に入ります。ぶどうの粒が大きく、果皮が薄く、色素が淡いので、赤ワインとして造ってもとても淡い色調のワインになります。その性質から、ロゼワインに仕立てられる場合も多いようです。

 

上記のようにアルボワが起源のようですが、アルボワ周辺の地域で細々と栽培されているのみです。他の地方では、ジュラ地方の南、サヴォワSavoie地方でビュジェイBugeyのワインにブレンドされることがある程度です。

 

このように希少な品種から造られるワインは、力強さとは無縁、優しく、土っぽく、独特の個性に溢れています。実際、黒ぶどうとしてこれほどの色素の淡さは世界トップクラスではないでしょうか。時には白ワインに仕立てられるほどですから。

 

では、アルボワの造り手さんを一軒ご紹介しましょう。ドメーヌ・ドゥ・ラ・トゥルネルDomaine de la Tournelleです。小さく美しいアルボワの町のほぼ中心地にひっそりと佇むこの造り手は、1991年創業の、まだ新しい造り手です。ぶどう栽培にはビオディナミを取り入れ、良いワイン造りに積極的に活動しています。実際、はっとさせられるような品質のワインを生みだしています。要注目の造り手さんです。

D. de la Tournelle ドメーヌ・ドゥ・ラ・トゥルネルのカーヴ 

世界中で栽培されている有名ぶどう品種も良いですが、このような地場品種から造られるワインは飲んでみて実に楽しいものです。もし見かけたら、是非試して頂きたいワインです。

 

Clos Yでは、9月12日のレストラン講座のテーマをジュラ地方とサヴォワ地方とし、地場品種を用いた上質なワインをご紹介いたします。ワインに合わせた特別料理も毎回ご好評を頂いております。ご興味のある方はご連絡ください。

 

 

このコラムを読まれて、ご意見・ご感想がございましたら下記メールアドレスまでご連絡ください。

vinclosy@aol.com

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