- 2011-03-27 (日) 13:02
- ワインコラム
スイス西部に位置するヌーシャテルNeuchâtel特産の、ピノ・ノワールによるロゼ・ワインです。ウイユとはフランス語で「目」、同じくペルドリは「ヤマウズラ」のことです。直訳するとヤマウズラの目、という意味になります。
ヤマウズラは、全長30cm弱の鳥類の1種です。ワインになぜこのような名前がついたかというと、理由はその色にあります。ヤマウズラの目は、オレンジ色がかったピンクのような色調をしています。このヌーシャテル特産のロゼワインの色がヤマウズラの目の色に似ていたため、その名が付けられたようです。
実際、「ロゼワイン」というカテゴリーの中に、様々な色のワインがありますね。無色透明にほんのりベージュのような色調の入った淡いものから、薄めの赤ワインより濃いような鮮やかな色調のものまで。ロゼワインの魅力の一つは、その美しい色合いにあると言えるでしょう。
ウイユ・ド・ペルドリは、どちらかというと淡い色調ですが、原料となるピノ・ノワールに由来するエレガントさがあり、個性的な、奥ゆかしいワインです。フランスのブルゴーニュ地方やシャンパーニュ地方を始め、アメリカなどの新世界でも、ピノ・ノワールのロゼが造られ、人気を集めています。ですが、ウイユ・ド・ペルドリは、スイスのヌーシャテルのテロワールを反映し、特有の特徴を備えています。ロゼ・ワインが好きな方、ピノ・ノワールが好きな方には一度試していただきたいワインのひとつです。
そもそも、「スイスのワイン」自体珍しいですよね。標高が高く、ぶどう栽培が可能な土地が限られており、もともと生産量が少ないです。その少量のワインは、主に生産地で地元の人や観光客などによって消費されてしまいますので、輸出に割り当てられるのは極僅かです。そのため、スイスのワインを口にする機会に恵まれることは日本では稀でしょう。スイスワインに関する情報もあまり入ってきません。ですが、高品質なワインが密かに造られていることは知っておくとよいかもしれません。
スイスのワイン、ウイユ・ド・ペルドリに限らず、見つけましたら是非試してみてください。軽やかで、エレガントで、これからの季節を華やかに彩ってくれるはずです!
Clos Yでは、4月3日のレストラン講座のテーマを「ピノ・ノワール」とし、世界の様々なピノ・ノワールを料理とともにお楽しみいただきます。ウイユ・ド・ペルドリも登場いたします!ご興味のある方はご連絡ください。
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