- 2010-12-12 (日) 14:06
- ワインコラム
今回ご紹介する、ブルゴーニュ・グラン・オーディネールBourgogne Grand Ordinaireというアペラシオンは、あまりその実態を知られていないもののひとつでしょう。
名前から想像できるように、ブルゴーニュ地方のアペラシオンです。
ブルゴーニュ地方には、ブルゴーニュ地方全体をカバーするブルゴーニュBourgogneというA.O.C.があります。ブルゴーニュ・グラン・オーディネールはブルゴーニュA.O.C.と同じく、ブルゴーニュ地方全体をカバーしています。
では、ブルゴーニュA.O.C.とブルゴーニュ・グラン・オーディネールの違いはどこにあるのでしょうか?
詳細を見てみましょう。
ブルゴーニュA.O.C.については、赤ワインとロゼワインについて、ピノPinot、ガメイGamay、セザールCésar、トレソToressotが使用品種として認められています。白ワインに関してはシャルドネChardonnayが認められています。
ブルゴーニュ・グラン・オーディネールには、それに加えて白ぶどうのアリゴテAligoté、ムロン・ド・ブルゴーニュMelon de Bourgogne、サシイSacyの使用が認められています。これがまず1つ目の違いです。
もうひとつの違いは、アルコール度数の定義です。
ブルゴーニュA.O.C.については、最低アルコール度数が赤とロゼは10度、白は10.5度、最高アルコール度数は赤とロゼは13度、白は13.5度と規定されていますが、ブルゴーニュ・グラン・オーディネールはそれぞれ1度ずつ低く設定されています。
つまり、ブルゴーニュ・グラン・オーディネールは、ブルゴーニュA.O.C.より規定が緩いわけですね。実際、ブルゴーニュA.O.C.を格下げしてブルゴーニュ・グラン・オーディネールを名乗ることができます。
日本で見かけることはあまりないと思いますが、ブルゴーニュ地方ではスーパーマーケットなどでブルゴーニュ地方のワインとしては一番低い値付けがされていることがあります。
このアペラシオンの面白いところとしては、他のアペラシオンで認められていないぶどう品種(ムロン・ド・ブルゴーニュなど)が使用できることがあります。さらに、優れた造り手さんがこのアペラシオンを用いる場合、価格の割に優れた内容のワインであることが多い、ということも特徴として挙げられるでしょう。
ブルゴーニュ・グラン・オーディネール。見かけたら一度試してみる価値はあると思います!
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