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ワインコラム 第63回 珍しいワインの話

世の中には実に多くのワインがありますね。

 

フランスのボルドーを例に見ても、たくさんのシャトーがあり、過去何十年ものヴィンテージがあります。さらに、毎年新しいヴィンテージのワインが生まれていきます。

 

人ひとりが、一生をかけても世界中のすべてのワインを飲むことは不可能だと私は思います。

 

それほどたくさんのワインがあるわけですから、中には「こんなのあり?!」というようなワインも存在するわけです。

 

今回は、そのような面白い、不思議なワインをご紹介いたします。

 

まずは、そろそろ新酒が出る頃ですから、地元でしか飲めないボルドーの新酒、ブーリュBourruです。

Bourru - コピー 

発酵中の状態で、甘さと炭酸ガスがある、一年でもほんのわずかな時期にしか手に入らない珍しいものです。

 

続いて、ボルドー、グラーヴGraves地区のワインです。グラーヴというアペラシオンでは、赤ワイン、白ワインの生産が認められていますが、甘口のワインは認められていません。ところが、甘口のグラーヴを見つけてしまいました!

Graves Moelleux - コピー 

Gravesという表記の下に、赤字でMoilleuxと記されておりますが、フランス語で「柔らかい」という意味です。ワイン用語としては、甘口を意味します。甘口が認められていないのになぜ甘口があるのか...謎です。

 

さらにボルドーから、シャトーで直接買う以外に入手できないワインをご紹介いたします。シャトー・コス・デストゥルネルChâteau Cos d’EstournelVin de Réserveです。

Cos Reserve - コピー 

偉大なヴィンテージ、1995年のワインの澱の部分を瓶詰めしたものです。ろ過をしたのか、澱は見られませんでした。

 

続いて南フランスから、ぶどう品種名をラベルに表記したワインです。

Viognier 

Viognierとはぶどう品種の名前ですが、何故かその文字がAppellation Contrôléeの文字で挟まれています。つまり、A.O.C. Viognierとなってしまっているわけですが、そのようなアペラシオンは存在しません。実際ラベル上部にはヴァン・ド・ペイ・ドックVin de Pays d’Ocと明記されています。...不思議です。

 

最後に、今月の第3木曜日に解禁されるボージョレ・ヌーヴォーBeaujolais Nouveauにちなんで、原料であるガメイGamayの珍しいものをご紹介いたします。

Sorrenberg Gamay 

これはオーストラリアのソーレンベルグSorrenbergという造り手さんが手掛けるガメイです。フランス以外でガメイを手掛ける造り手さんはほとんどいないので、珍しいと言えると思います。上質なワインでした!

 

世の中にはさらに珍しい、面白いワインがたくさん隠れていると思います。そのようなワインを探してみるのもワインの楽しみのひとつかもしれませんね。

 

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