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ワインコラム 第46回 ロゼワインの話

3月に入り、まだ寒い日もありますが、春の訪れを感じますね。
 
春といえば、桜でしょう!
 
花見を楽しみにしている方もいらっしゃると思いますが、花見のときに何を飲みますか?ビールでしょうか?
 
ワイン好きのみなさまは、ワインを飲まれることもあるでしょう。花見にぴったりのワインと言えば、ロゼワインでしょうね。今回はロゼワインのお話です。
 
ロゼワインと聞くと、赤でも白でもない、どちらつかずの存在というイメージで、正当に評価しないワイン愛好家もいます。しかし、その特徴こそロゼワインの魅力ではないでしょうか。
 
簡単に造り方をご紹介すると、大きく2種類の製法があります。
 
ひとつは、黒ぶどうを用いて、白ワインと同じように醸造する方法です。黒ぶどうを圧搾すると、ほのかにピンク色がかった果汁が流れ出します。このピンク色のぶどう果汁をワインにすると、ロゼワインになるわけです。この場合、このワインは白ワインに近いロゼワインと言えると思います。
 
もうひとつは、セニエ法と呼ばれるやり方で、赤ワインを造るように醸造します。つまり、黒ぶどうの皮を透明なぶどう果汁に漬けておくと、皮から色素が出ていきます。この状態を長く保つとしっかりした色調の赤ワインになるのですが、ほのかに色づいたところで皮と液体を分離すると、美しいロゼの色調になるわけです。こちらの場合は、赤ワインに近いロゼワインと言えるでしょう。
 
近年は世界的なロゼワインブームのようで、各国で優れたロゼワインが造られています。上質なロゼは、美しい色調を呈し、華やかな香りを持ち、いきいきとした果実味と酸味のバランスが良く、微かな渋みが余韻を引き締めてくれます。樽で熟成されたものもあり、ロゼと言っても様々なタイプがあります。
 
有名な銘柄を挙げると、フランス、ローヌ地方のタヴェルTavelプロヴァンス地方のコート・ド・プロヴァンスCôtes de Provence、ロワール地方のロゼ・ダンジュRosé d’Anjou、アメリカのホワイト・ジンファンデルWhite Zinfandelなどがあります。後者2銘柄はやや甘口ですが、近年は辛口タイプのロゼが流行っているようです。
 
私も個人的にロゼワインが大好きで、年間を通じてよく飲みます。今までに、ロゼワインを相手にしないワイン愛好家に飲ませてあげたいような感動的なロゼワインに出会いました。
 
強烈に記憶に残っている順にご紹介すると、スペイン、プリオラートPrioratのロゼが筆頭に挙がります。プリオラートはスペインの高級ワイン産地で、濃厚な赤ワインで知られています。実は白ワインもロゼワインも造られているのですが、ごく少量のため、日本で見かけることはほとんどありません。私は現地で飲んだのですが、しっかりとした色調といい、口に含んだ時に感じられる渋みといい、まるで赤ワインのようでした!
Prioratロゼ - コピー プリオラートのラベル 
 
逆にエレガントで上質なロゼと言えば、ピノ・ノワールを原料としたロゼでしょう。ブルゴーニュ地方のマルサネイ・ロゼMarssanay Rosé や、シャンパーニュ地方のロゼ・デ・リセイRosé des Riceysなどは素晴らしい品質です。
Marsannay-la-Cote マルサネイ村のぶどう畑 
他にはプロヴァンス地方のパレットPalette、ボルドー地方のクレレClairet、ルシヨン地方のコリウールCollioure、イタリアのモンテプルチアーノ・ダブルルッツォ・チェラスオーロMontepulciano d’Abruzzo Cerasuolo、オーストリアのシルヒャーSchilcher、オーストラリアのカスターニャCastagnaなどなど...

きりがありません!上に挙げたのはごく一部です。 

世界には素晴らしいロゼワインがたくさんあります。残念ながら日本では手にすることが難しいものもありますが、機会があれば講座で紹介していきたいと思っております。 

この春、ロゼワインを持って花見をしてみてはいかがでしょうか? 

Clos Yでは、4月11日のレストラン講座でテーマを「春とロゼ」とし、フランスの上質ロゼワインと食事を合わせる企画をしております。エレガント系から濃厚系まで、上質なロゼワインをお楽しみいただけます。 

 

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vinclosy@aol.com

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